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仕事の説明書読書会5回目のまとめ

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前回の記事はこちら。

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5回目は5章の途中から。

定型化された分析手法

よく使う分析手法として、移動平均ヒストグラム、ファンチャートについて紹介されていた。

トレンドを把握するための移動平均

日々の売上の棒グラフを見ていると、平日と週末とでは売上が異なるため、変化の傾向がわかりにくい。そこで、移動平均を使ってトレンドを把握する。

注意する点としては、移動平均だけを見ていると、スパイクした場合に(一時的に爆発的に値が上下する)それを検知できない。そのため、トレンドだけでなく日々の値も重要となる。

雑談では、SNSとかで取り上げられて云々とかはあるけれど、これはインフラやアプリケーション開発をやっていても、例えばYahoo砲(Yahooニュースに載ることでアクセスが集中すること)でサーバの負荷が一時的に一気に上昇することがあったりするので、日々の値は重要だし、普段のサーバの負荷のトレンドを見るという意味では、移動平均も重要ですよという話をした。

データの分布を確認するヒストグラム

ヒストグラムは横軸に階級、縦軸に度数を持たせて、どのようにデータを分布しているのかを見る。平均値だけに注目すると、実は平均値周辺の値は低くなっていたりする。本の中では3つのケースが紹介されていた。どのケースでも平均購入額は同じになっていたが、全然印象が異なる。平均だけで語ってはいけないなと再確認できた。

データの基準を定めて推移を確認するファンチャート

あるときの値を100%として、それと比較することでの変動率を見る。売上だけに注目していると、大した変化がなさそうに見えるが、地道に売り上げが伸びてきていたり、徐々にさがってきていることが可視化される。

売上と費用に関する指標

利益は売上ー費用である。利益の構造と目指すべき姿について、取り上げてあった。

  • パターン1:売上はそのままで、費用を減らす(効率化)
  • パターン2:売上を増やして、費用はそのまま(改善)
  • パターン3:売上を増やして、費用も減らす(選択と集中
  • パターン4:売上を増やして、費用も増やす(積極投資)

雑談では、現場ではパターン1がよく求められるなぁと。費用を減らすのは、組織の内部の話なので比較的やりやすい。しかし、これをやりすぎると本来必要であったものまで削ってしまう可能性が出てくるので、本当に気を付けなければならない。 改善は、費用の使い方を改善するという話だ。効果的に潜在顧客にアプローチできるようになれば、投資費用は同じでも効果的となる。 選択と集中は、そういうケースもあるという話ではある。それとは別で「やり方を変えろ」という話も出てきた。改善や効率化では太刀打ちできないレベルのことになると、そもそものやり方自体を全く異なるアプローチに変えることとなる。このあたりの話は本田宗一郎さんの話だっただろうか…昔読んだ本で、これ以上燃費を良くするには改善じゃなくてやり方を変えないとダメ、そこに知恵を絞れ、みたいなことを言ってたかと思う。 積極投資は、できれば一番いいところだ。攻勢に転じて、攻めれば攻めるほど利益が出るので、費用も惜しみなく投資しても問題ない。勢いのある会社はこういうところがある。また、コストカットばかりを掲げるところは魅力的に映りにくいという話もあった…。個人的には改善や効率化は好きなのであるが、確かに切り詰めることばかりを考えていると、大きな考えがしにくくなるなぁ…と思うときがある。

費用に関する指標

クリック単価(CPC)や顧客獲得単価(CPA)の話が出てきた。これらは低いほうが望ましい。

売上に関する指標

売上に関する指標は多く出てきた。1訪問あたりの売上、1訪問者あたりの売上。顧客一人当たりの売上平均額(ARPU)。課金顧客一人あたりの売上(ARPPU)。顧客生涯価値(LTV)。これらを読んでいるときに、沖縄のWeb制作会社の話を思い出した。

tokyofreelance.jp

サブスクリプションをやろうとすると、月額で考えるよりもLTVで考えて、この顧客は〇〇万円まで払ってくれるであろうから、ここまでなら広告費出せるとか、最初はここまでの赤字は覚悟できるけれど数年後には黒字に転じるはず、みたいな戦略が立てられる。

顧客の獲得と売上に関する指標を比較する

投資回収率(ROI)と広告回収率(ROAS)の話が出てきた。ROIが100%を上回る状態であれば、健全に広告が運用できていると言える。積極投資が可能だ。

4種類の分析アプローチ

本より引用すると、

  • 現状把握型分析
  • 問題探索型分析
  • 仮説検証型分析
  • 価値創造型分析

現状把握型分析

現状を数値化・グラフ化して推移を見える化・パターン化など、可視化することで判断をしやすくしている。

問題探索型分析

読んでいるとわかるが、これは本当に大変そうだ。依頼者も問題がわからないから、あたりを付けてほしいというところのため、いろんなパターンでの分析を泥臭く行っていかなければならないという話であった。大変だからこそ、価値があるのだろう…。

仮説検証型分析

「〇〇という条件下においては、他のものよりも向上する」みたいなものを検証する分析。仮説検証もやってみるグループとやらないグループに分けて実際にそうなるのかを証明しないといけないので、大変そうではある。しかし仮説が立てられるからこそ、アクションを導くことができるので、正しければ迷いなくそのアクションを継続できる。

価値創造型分析

価値創造型分析は分析結果そのものが価値を生む、というものだった。Amazonのリコメンドや、機械学習による与信審査など人の手によって行われていた分析をコンピュータ任せにできる。

まとめ

データ分析はなんらかのアクションを導き出すためのものだから、大雑把にでも把握できることが大事。データをグラフ化し、比較できるようにする。そこから見つけられる変化やパターンから仮説を立てて検証していく。データ分析なしでは問題の原因を探れずに闇雲になってしまう。問題定義と問題解決の質を高めるにはデータ分析が必須と言えるだろう。

雑談では、勤務年数の長い人から「すぐに役立つかと言われると別に…」みたいな言われ方をしたりしてしまったのだが、読書会の目的は「仕事に対する新たな考え方・視点をインストールすること」なので、そういうことじゃないんだけどな…という気持ちになった。むしろ、「こういう視点があればあのときの提案が違っていたかも」とか、自身の経験に合わせて振り返って、それを若者に伝えてほしいなと思ったので、今度そういうことを伝えてみようかと思う。

仕事の説明書読書会4回目のまとめ(後半)

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前回の記事はこちら。

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指標を設定するための考え方

指標を定義するときの考え方も分解。成果指標を購買プロセスで分解して、プロセス指標を定義し、それらの転換率を調査する。転換率を高めるのが改善と言える。

ヒト・モノ・カネに着目して指標を決定する

ここで出てきた図がとても分かりやすかった。ヒト・モノ・カネで行と列を作ったマトリックス図だが、ヒトとヒトならば転換率、ヒトとモノならば購入点数、ヒトとカネならば顧客単価、というようにここに当てはまるのはなんだろう?と考えるのによさそう。

AMTULモデル

顧客意思決定プロセスとして、AIDAやAIDMA、AISASという理論があったが、それらは顧客がどの段階にいるのかという指標にするには難しい。指標化するには、AMTULモデルを使うとよいらしい(似たような略称で混乱する…)。

AMTULの段階 定量化する指標
Awareness(認知させる) 再認知名率
Memory(記憶させる) 再生知名率
Trial(試験的に使う) 試用経験率
Usage(頻繁に使う) 主使用率
Loyalty(ブランドを決める) 今後の購買意向率

これらはアンケートで定量化しやすいということのようだ。「〇〇を知っていますか?」のようなYes, Noで答えるようなやつで集計するとよい。

分析する軸を定義する

分析する軸をディメンションと呼ぶ。

指標とディメンションの違いは、問題を分解する4つの切り口で紹介されていた「要素分解型」と「因数分解型」で言うことができる。

要素分解型は、足し算型・積み上げ型と呼ばれ、分解した要素の総和が全体となる。Webサイトでいえば、PCとスマホのように分けられるのが、ディメンション。

因数分解型は、掛け算型と言われ、売上=顧客数x購入単価x購入回数のように因数分解可能なもの。これらのそれぞれが指標となりうる。

この、指標とディメンションを掛け合わせることで分析することができる(各デバイス毎の購入回数とか)。

ディメンションを定義する

ディメンションを定義するには、顧客データや購買データが必要となる。ディメンションを定義するケースについて紹介されていた。

日付・時刻

これらも積み上げたら100%の購入数などになるので、購入が多い曜日や時間で分けてディメンションにすることが可能。

年齢と性別

購入者の属性をディメンションとする。会員の生年月日が分かれば年齢がわかるので、分類可能。

以前は視聴率に関してザックリとした分類をしていたが(F1層・M1層とか)、昨今においては荒いという意見があるらしい。自社のサービス利用顧客の属性が十分にわかるのであれば、細かく分類して根拠のあるところでグループ分けをするべき。この例では、年齢というディメンションと予約単価の平均という指標を掛け合わせて、変化の大きなところを発見して、グループ化していた。

都道府県

地方でグループ化したり、都会でグループ化したり、寒冷地・海に近い場所などでグループ化したり。日本には四季があるので、先にその季節を迎えるところから先取りするなどが可能。

アクセス解析に関するディメンションの定義

深く書いてしまうことは割愛するが、サイトへの流入する経路をディメンションとしたり、キャンペーンページを見たかどうかをディメンションにするなど、興味深い話がよく出てきた。ここは何回か読んでおきたいところだ。

主張に応じたグラフを選択する

どういうときにどういうグラフを選択するか、という一般的なルールの紹介があった。王道は大事であるが、「何を伝えたいか」が最も大事であるので、敢えて違うグラフを使って表現することの例を示してくれていた。

集計単位をグループ化して、差を明確にする

月次を年次に替え、折れ線グラフを棒グラフにすることで大きな差があるようなインパクトを与えていた。実際、差は大きいのだけれど、折れ線だと差のインパクトが薄まる。やはり「何を伝えたいか」が大事。

データをグループ化して特徴を与える

平日と週末のデータに関して、色分けをして特徴を与えていた。どこが週末のなのかが把握しやすくなっていた。

視覚属性を与える

文字の濃淡や太さを意図的に変えることで、認識しやすくなる。文字だけでなく、グラフにおいても、長さを変えたり、棒グラフの幅を変えたり、集団の中から目立つように大きくしたり、マークを付けたり等など。

雑談で出てきた話だと、詐欺的なグラフとか、時々あるよねーというやつ。大きな差に見せかけて実は軸の数値が0始まりじゃないとか…。実際の差は殆どないとか…。どうもアンチな話に行ってしまいがちだけれど、そういうところは気を付けないといけない。

あと、会社で使っている表やグラフがわかりにくいとか。そういう意見が出てくるのはよかった。みんな思っているのにあんまり声に出さないってのは良くない。

個人的にはディメンションって言葉は知っていたのだが、よくわかっていなかったので、今回ちゃんと知ることができてよかった。

仕事の説明書読書会4回目のまとめ(前半)

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前回は3章と4章の途中までだった。

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今回は、前回の振り返りを少々と、4章・5章の辺り。

著者の田宮さんから書籍を寄贈していただいた

その前に…twitterにも書きましたが、弊社でやっているこの読書会のことを著者の田宮さんに気付いてもらえて、本をお持ちでない方がまだいらっしゃれば…ということで、本を寄贈していただきました!

電子書籍で読んでいる人の場合、図や表の位置が次のページにずれたりすることがあったため、電子書籍で買っていた人にとても喜ばれました。また、多めに送っていただきましたので、他部署の新人にも布教しました😉

では、読書会に戻ります。

ベン図を用いて管理する

集合の定義をすることは、プログラマだとよくある。データベースからデータを取得するときもそうだ。弊社が提供しているサービスは分析系のものが多いため、データの集合を定義するためにもよく使う。

シナジー効果を発揮する」という点は、うちの営業戦略的にもやはりそういうところがあるなぁとよく感じる。既存顧客に弊社の他の製品を売るほうが、一度他の製品が売れている分、売りやすい。論理積の箇所をどう広げていくかが重要。

ビジネスキャリアをベン図で考える

Will・Can・Mustシートを作成するというもの。

Willはやりたいこと。Canはできること。Mustは会社から求められていること。WillとCanが乖離していて、Willとの重なりが少ないと、いわゆる口先だけ。ギャップを認識してCanを増やす必要がある。

WillとCanとMustの重なりが大きくなると、会社からの期待に応えつつ、やりたいことをやっていて、できることも増えているという最もよい状態となり、高いパフォーマンスを発揮できる。

自由意志の剥奪が仕事と遊びの違いだった。Mustは会社から求められているものだから、そうなる。しかし、WillとCanとMustの重なりが多くなると、自由意志による獲得になっていく。いかに会社からのニーズに応えつつ、やりたいことに転化していくのかが、仕事を楽しめるかどうかにかかってくる。

ちょうど今週の頭のほうで、入社3年目の人たちを対象にキャリア形成を考える会をやっていたのだが、だいたい同じようなことを考えていたが、Mustが弱かった。まぁCanを見つめなおし、WillとMustを近づけていくにはどうすればいいか、というところと、現在の興味、数年後にどうなっていたいかを考える会にしたかったので、概ねよかったかなというのはある。ただ、説明に手間がかかったので、Will・Can・Mustのラベリングはとても有効だなと思えた。先に知っていたらなぁ~と悔やまれた😥

4章のまとめ

ラベリングの偉大さがよくわかった。データ分析した結果をわかりやすく見せるには、グループ化と、そのグループに適切な名前を付けることだ。弊社でもよく使っている分析手法が登場したので、みんなでワイワイと楽しく読めた。

そして5章へ。

データからアクションを導出する

よくいうことだが、データは事実でしかなく、どう解釈するか、その解釈からどう解決のためのアクションを取るか。

ここで、ドラクエの例がでてきた。ステータス表示は、ヒト・モノ・カネを網羅的に書いたレポートである、と…。言われてみたら、現在の強さの数値が表示され(ヒト)、装備が表示され(モノ)、右上にゴールドは表示されている(カネ)。どのような状態か解釈しやすいように、正常であれば白、毒になっていたら緑、瀕死になっていたらオレンジ、誰かが死んでいたら赤という表示になっている。解釈がしやすいため、次に打てるアクションを決める手助けになっている。常に白だと、死にかけているのに回復を忘れてしまうことになりかねない。意識を集中してデータを見続けなければならない。しかし、仕事はデータを見ることではなく、回復をしたり、相手を倒すためのアクションをすることだ。

見ているデータが同じでも、役職によってアクションが異なる説明があった。このあたりもゲームで例えられたんじゃないだろうか…と思った。例えば、みんなが死にかけていたら僧侶の回復では追い付かない。次の攻撃を受けると恐らく僧侶が死ぬ。僧侶が死んだら回復できなくなるので、攻撃魔法を唱えるのではなく、一旦1度の攻撃に耐えられるようにするために薬草を僧侶に使う、とか。攻撃専門職であっても、チームのために貢献するには、その場その場の適切な行動が重要になる。 「僕は魔法使いなので攻撃魔法しか唱えたくありません」とか言っていたら、チームが全滅して最終的に自分も死ぬことになる。

とはいえ、「みんなが死にかけているんだから、ちゃんと薬草を使え」とずっと言われていたら「俺、魔法使いなのにな~…。もっと攻撃魔法使いたい…」と思うようになるだろうから、瀕死にならないようにコントロールして全力で魔法を唱えられる環境を作ってあげるべきだ。それがマネジメントだろう。

問題解決とデータ分析

問題解決のフレームワークが出てきた。このフレームワークはわかりやすくて便利だなと登場するたびに思う。売上が現状、原因に顧客単価の減少と購入者数の横ばいというデータ。原因はデータを見ればだいたいわかる。

データストーリーテリング

データ分析は、レポート作成まで含めることが多く、それにはデータを見たうえで考えられる主張・意見・考察の証明や説明がいる。わかりやすいレポートの作成には、データを効果的に見せる技術が必要となる。

雑談では、データストーリテリングの事例のところが、なんかよくわからんな…と言われた。データストーリーテリングの事例の紹介なのに、ストーリーテリングが分かりにくくて残念と。ちょっと言い回しがごちゃごちゃしているかな…とは思った。「試行錯誤の結果のレポートを作成した結果」とか。 自分なりに推敲すると、「デザイナーを交え何回も試行錯誤してレポートをまとめた結果、営業スタッフ全員がそのレポートのみで、あたかも台本があるかのようにプレゼンし、次の一手を提案できた」とかじゃないかなと思う。

今回も長くなってきたので後半をまた書きます。

仕事の説明書読書会3回目のまとめ(後半)

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前半はこちら。 patorash.hatenablog.com

4章に入った。4章は「数値化・言語化によりビジネスの解像度を上げる」というタイトルだ。

数値化と言語化の必要性

言語化すると数値化できる

ゲームのレベルデザイナーの話が出てきた。レベル2とはどういう状態か、を言語化すると自然とステータスの値が決まってきてレベル2の状態を数値化できるという話だった。

これは2章の問題解決のフレームワークの理想の状態を表すことのことだなと感じた。理想は注文がいっぱい入ることだが、いっぱいとはどういう状態か?本では生産可能な1日300個となっていた。状態を言語化すると数値が決まってくる。多分こういうのは、営業可能な数値とか、開発可能な工数とか、そういうのも言語化してから数値化できるんじゃないか?と考えた。

数値化すると言語化できる

ここでは、ソーシャルゲームのヘビーユーザー、ライトユーザー、ビギナーを、利用日数や経過時間でラベリング、グループ化していた。

ヘビーユーザーの定義を言語化して共有しておくと、説明がなくともヘビーユーザーというだけでみんながわかる、というのは確かにそうだ。ラベリングの力を感じた。パータンランゲージとか、デザインパターンもそうだもんなーと思った。共有できていると話が早い。

ラベルを用いて管理可能な状態にする

PPM分析の話が出てきた。PPMという略語は忘れていたが、問題児・花形・金のなる木・負け犬の4つに分けるやつだ。いろんな本に出てくるので何度か見たことある。Product Portfolio Managementか。

問題児は市場成長率が高いが競合も多いのでシェアを増やして花形に育てなければならない。通常、生まれたばかりの製品はここに属する。シェアを増やすことが目標となる。雑談では、最近のキャッシュレス決済の競争がまさにそれで、シェアを増やすためにめっちゃみんなキャッシュバックとかで投資してるよな~という話が出た。

花形は、市場成長率も高く、シェアも高い状態。ここでの利益を問題児に投資して新たな花形にしたりなどする。花形といえど、時間が経過すると市場成長率が下がってくるので、維持する努力が必要。

金のなる木は、市場成長率は低いがシェアが高い状態。伸びしろはないんだけれど、シェアが高いのでなんとかなっている。時代が変化すると一気に負け犬になりうる。

負け犬は、市場成長率も低いしシェアも低い状態。成長が見込めないので撤退するか検討するべきだが、それは他社も同様なので、他社が早期に撤退するとシェアが伸びて金のなる木に育つことがありうる。金のなる木に育つまで耐えられる資金力があれば、の話であるが…。

雑談で、「負け犬は今の時代だとFAXですかね~」と私が言ったら、「でもFAXは今、パナソニック以外売ってないんだよ。だから、パナソニックが資金力で他社が撤退するまで耐えて、シェア取って金のなる木にしたんじゃないか?」という興味深い話が出てきた。なるほど、確かに耐えればそうなるのか…。しかし本当にパナソニックにとって金のなる木なのかどうかは謎ではある(保守は大変だろうし)。でも価格競争しなくてもいいのはええのかも。 このあたりで、フロッピーもそうですよねとか、昔のデジカメは色んな記憶媒体があった。最終的にミニSDカードを出してきたSDカードが席巻したという話をおじさん勢が話していた。20代に「スマートメディアなんて初めて聞きました」と言われた。そりゃそうだろう…。

話を本に戻すが、本でもPPM分析は例で、これらのようにラベルを作ると話が入ってきやすくなるから分析結果をラベリングすることの重要性を説いていた。ポジショニングマップの軸を変えて、ラベルを変えることで、いろんなラベリングの可能性が見えてくる。ここでは、飲食店経営の例でガッカリ・定番・穴場・過疎というラベルに分けるのが出ていた。わかりやすい。

言語化が先か、数値が先か

分析が先だと思っていたのだけれど、言語化を先にしてから、じゃあどういう2軸が決まるとラベルを定義できるのか?という逆説的な話があった。そういうアプローチでもいいんだなと。PPM分析の考え方とポジショニングマップは新商品を考えるときにすごく使えそうだ。

重要度で分ける

ABC分析の話が出てきた。弊社の製品でよく扱っているやつなので、ここはみんな「なるほど~!」という感じで読めた。重要度で分けると、弱い箇所や、案外強い箇所などが見えてくる。それがわかれば打ち手を考えられる。パフォーマンス測定やっててもよく出てくる話だが、「推測するな、計測せよ」という名言が出てくる。計測したら、対処するべき箇所が見えてくる。ABC分析も同じだなと思えた。

同じ数でグループ化する

デシル分析が出てきた。これもまた弊社の製品でよく聞いているやつ。担当製品が違うので私はよくわかっていなかったのだが、顧客の購入金額で上位から10分割してグループ化するという感じで使うらしい。購入金額の低い下位7~10に打ち手を考えることができる(セールのDMや来店ポイント等をこの層に送って来店を促すとか)。

雑談で、「10分割するからデシルっていうんだよ」と言われて、全然ピンとこなかったのだが、「1デシリットルの、デシよ」と言われて、「あ~!!そういうことか!!」と一気にわかった。「でも10分割でデシとか使うの、リットル以外知らんね」とか、そんな話した。

顧客を複数の軸で分ける

デシル分析だと、1回で高額な買い物をした人と、普通の買い物を20回した人が同じグループに属することになるので、より詳しくグループ分けするのにRFM分析を使う。

  • Recency・・・最新購入日
  • Frequency・・・購入頻度
  • Monetary・・・購入金額合計

RFM分析ではこれらを各5レベルに分けて、5x5x5=125グループに分ける。こうすることで、顧客の状態が見えてくる。

最新購入日が3か月以上離れているけれど、購入金額合計が結構ある会員は、恐らく他のお店を使うようになった離反顧客であるとか、頻度は少ないけれど来店日が最近なのは新規顧客であるとか。全てが平均的な利用率な場合は安定顧客とか。125段階に分けても、ラベルがあるとわかりやすい。

1次元で捉える

面白かったのが、RFM分析の結果を1次元にしてしまえることだった。各レベルの合計値で分類するということだ。最低値は1+1+1=3で、最高値が5+5+5=15。合計額が被るところは全て同じグループとするわけだ。ザックリと知るにはよさそう。

2次元で捉える

2つの区分だけを使って分析することもできる。本では、購入頻度と最新購入日から、常連・安定・常連離反予兆・常連安定離反・新規・新規離反予兆・新規離反に分類し、離反予兆組をいかに安定に持っていくか、安定から常連にしていくかというのが視覚的にわかりやすく見ることができた。社内のセミナーとかでもよく出てくる話だったので、再確認できてよかった。

3回目のまとめ

4章の内容は、弊社で扱っている製品でまさに使っている分析手法の説明だったりしたので、みんなすごく興味深く読んでいたと感じた。やはり身近な話題だと盛り上がりやすい。3章で若干くじけそうになっていたが、なんとか盛り返せてよかった。

仕事の説明書読書会3回目のまとめ(前半)

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前回の記事はこちら。 patorash.hatenablog.com

今回は3回目で、前回まではフレームワークを使ってビジネスを紐解いていくというところだった。自社・競合・顧客を分析していく3C分析を基本として、それらの周辺の分析を深堀していくという内容。今回は、その続き。

STP戦略

STP戦略は、顧客を細分化してターゲット層を抽出し、そこにたいして競争優位性を設定するマーケティング戦略フレームワーク。 本からの引用。

  • Segmentation・・・顧客を細分化して
  • Targeting・・・ターゲット層を抽出し
  • Positioning・・・ターゲット層に対する競争優位性を設定する

4つのセグメント

セグメントを細分化するのには、4つの変数がある。

  • 人口動態変数
  • 地理的変数
  • 行動変数
  • 心理的変数

セグメントを整理し、セグメント毎にデータを分析することでデータの差・変化・パターンを発見することで、特徴を定義できる。

ターゲティングにおける3つの攻略法

市場の攻略法は主に3つ。

非差別化マーケティングなんてあるのだな、とビックリした。セグメントが定まらない場合やセグメントに特化しなくてもいい場合に使うのかなと思う。

集中化マーケティングは自分が無意識で考えているマーケティングのパターンだった。私の担当製品も、まずターゲットを絞って、ここに特化したものを作った感じだ。そこから、データの見せ方を変えるなどで差別化マーケティングにしていっている途中。やっていることは間違ってなかったなと思えた。

ポジショニング

ターゲット顧客にリーチできるような差別化したポジションを探さなければならない。そのために、ポジショニングマップを使う。ポジショニングマップの中でも、特に顧客の商品認識を2軸で表現したものをパーセプションマップと呼ぶ。これはよく使うやつ。「質と量」、「品質と価格」のような対照的な2軸を定義する。他社の製品をこのポジショニングマップに配置し、空いているところがブルーオーシャン。しかしながら、空いているということはすなわち、潜在顧客がそもそも少ないという可能性もある。ポジションは競合から大きく離れることがベストではない。少し近づけることで、比較して優位性をアピールできるようにするなどもよさそう。

ゲームに置き換えて考える

やっとゲームの例えがきたー!という感じの空気が流れた。カートレースでの例。私の解釈だと、以下のようになる。

  • 顧客全体・・・グランプリ
  • Segmentation・・・コース
  • Targeting・・・コースを攻略しやすいカートの選択
  • Positioning・・・カート毎の性能の違い

敢えてマリオカートで例えると、

  • 顧客全体・・・キノコカップ
  • Segmentation・・・コース
  • Targeting・・・キノコカップを攻略しやすいキャラの選択
  • Positioning・・・キャラ毎の性能の違い

ターゲティングでいえば、

という感じだろうか?なお、例えで選択しているキャラは適当。最近マリオカートやってないし。

AIDA・AIDMA・AISAS

製品の価値を正しく伝えるためには、適切な方法・タイミングが必要となる。常に同じ方法が通用するわけではない。

AIDA・AIDMA・AISASは色んな本でも登場してくるので私は知っていたが、読書会の参加者は結構知らない人が多そうだった。現代だとAISASを意識することが多いんですよという話をした。ググって共有されて認知されていくので。

カスタマージャーニーマップ

AIDA・AIDMA・AISASを可視化したものがカスタマージャーニーマップ。意思決定プロセスを整理する。思考や感情、問題など顧客視点をより深めるために使う。

ペルソナ・テーマを決める

例えば、車を買いたい人がいるとして、初めての購入なのか、それとも買い替えなのか。それだけでもう動機や希望が異なるから、当然アプローチが変わる。

意思決定プロセスを決める

カスタマージャーニーマップの横軸となる。AIDAモデルなどを参考にゴールまでの道のりを決める。

明らかにすることを決める

カスタマージャーニーマップの縦軸となる。5W1Hを意識して、行動・思考・感情・問題を設定する。

定量調査・定性調査を実施

アンケートやインタビューだが、アンケートだと2択になったりして顧客の本音が抜け落ちたりすることがあるので、インタビューのほうが好ましそう。Whyを聞き出すことが重要。

マップで得られた見解から施策を打つ

作っただけでは意味がないので、ちゃんと施策を行う。

マップを作るときの注意点

顧客視点を重視する。主観が入るとずれてしまう。顧客視点だと、自社製品以外の選択肢もある。様々な選択肢がある中でペルソナの顧客はどういう状態であるのかを考える必要がある。 また、カスタマージャーニーマップはMECEには作りにくい。なるべくMECEみたいに作ることはできるが、その場合はその分だけカスタマージャーニーマップを考えなければならない。

3章のまとめ

一気に分析フレームワークが紹介されたので、みんなめっちゃ混乱していた。「これ仕事の説明書じゃなくてマーケティングの説明書じゃない?」という意見も出てきた。読書会の参加者は全員開発者なので、ちょっとわからんわーみたいな空気になってきた。

3C分析を基本に、自社と競合と顧客を深堀していかないと、いい商品ができないんじゃないですかねー?というふうにフォローしておいた。顧客の購入の動機や感情とかを考える手法なんて、恐らくこういう本でも読まない限り、触れてもらえないと思ってこの本を選んだというところがある。

まとめのページに載っていた図はすごくわかりやすいまとめになっていた。多分、これを先に見せておいてから、ここを説明していくよ、という感じのほうがよかったのかもしれない…。(個人の感想です)

長くなってきたので、前半と後半に分けてまとめていく。

仕事の説明書読書会2回目

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前回、仕事の説明書読書会を会社で始めたというエントリーを書いた。

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今回で2回目。今日は2-5のイシューツリーから。前回で、問題を深掘りするロジックツリーを学びMECEに問題を切り分けてイシューの質を上げていくところだった。

イシューツリー

イシューツリーはロジックツリーから出てきた課題から解決策をMECEにして分けていく。そのときに、How?を繰り返す。

問題を分解する切り口

  • 要素分解型
  • 因数分解
  • ステップ型
  • 対象概念型

よくある分け方ながら、言われたら成る程なと思う。

論理展開の基本

前提となる事柄から結論を導き出す。演繹法は論理的に事実を導くが、帰納法は傾向からの推測なので外れることもある。 アブダクションは結果から仮説を立てるやり方。

これらのことはドラッガーの問題解決の本で学んだことがあるが、それより簡潔でよかったかと思う。

ドラッカーが教える 問題解決のセオリー

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ビジネスというゲームを紐解く

ビジネスフレームワークを用いてビジネスを分析していく。3C分析が基本。 3Cに分けて、それをロジックツリーで分解していく。

ジョブ理論

これは最近Podcastで聞いたような記憶があるキーワードだが、「お客さんは物やサービスではなく、ジョブを片付けるためにお金を払う」というもの。お客さんは、ジョブを片付けたい人で、競合はジョブを片付けるニーズを満たしているもの。 普通は競合というと同業他社だが、実はそうではないケースもある。例では、新聞の競合はスマホゲームやSNSだという。なぜならば、お客さんは「暇を潰す」というジョブを解決したかったからだ。 ニーズを多面的に捉えると、思いもよらない競合がいるかもしれない。それにしても、それだと大概の競合はスマホになる…。現代の課題は、可処分時間の奪い合いなのだ。

海外旅行の帰りの空港で和食食べたい話があったが、物凄く同意だった。海外旅行は一度しか行ったことないが、帰国後のてんやの天丼は最高だった。

3C分析を深めるツール

分析を深掘りする分析。こういう使い方だと凄くシックリくるなと感じた。特にSWOT分析はドリルダウンできて分かりやすい。

自社を深掘りする

経営資源(ヒト・モノ・カネ)の配分。 ヒトはモノとカネを生み出せるが、カネは全てを生み出せる。

ビジネスモデル

  • 手作りモデル
  • 機械工業モデル
  • 商社モデル
  • 無形サービスモデル
  • 金融モデル

読書会の雑談の時間で、システム開発は手作りモデルと無形サービスモデルのハイブリッドで、エンジニアの匠の技で課題を解決したり、コンサルティングすることもあるので、資源を投入するとしたらやはり人件費やろ、という話になった。 これは読書会ではなく自分の考察だが、AWSなどのクラウドサービス事業者は商社モデルだったが、サーバ管理に抱えていたエンジニア(手作りモデル)にサーバ管理の機械工業化をさせて商売してるんだよなーと思うと凄い発想の転換だなと思った。

4P戦略

自社の製品、サービスを分析して戦略化する話。

  • Product
  • Price
  • Place
  • Promotion

最近ではさらにPackageが追加されることも。

プロダクト3層モデル

プロダクトのコア、形態、付随機能の層に分かれていた。コアはジョブ理論でいうところのジョブを解決できるもの。形態はデザインやブランドイメージ。付随機能はアフターサービス等。

話題にあがったのが、付随機能。ジャパネットの古い掃除機引き取りますとか、スーツ販売業者の古いスーツ買い取ります等。製品のコアは他所でも扱ってるから、付随機能で差別化してるところが凄い。

4Pと4C

消費者目線での分類の4C。どんなジョブを片付けたいかに近い考え方。 各社のCMが、4Pか4Cかの目線で面白いという話が出た。スペックをアピールしたいCMは4P。便益をアピールしたいCMは4C。車のCMよく見てみると面白い。

今日はここまでだった。

「やさしさ」という技術を読んだ

「やさしさ」という技術

「やさしさ」という技術

Slackのruby-jpの本を紹介するチャネルで紹介されていて面白そうだから買ってみた。

「やさしさ」とはなんなのだろう?この本では、多面的に「やさしさ」について触れられていた。

人に伝わるのは気持ちではなく行動

ちょっと身も蓋もないところはあるが、「大切なのは気持ちではなく行動だ」と序盤のほうに書いてある。これは真実なのでうなずかざるを得ない。気持ちで思っていても行動が伴っていなければ伝わらない。

体臭のきつい同僚に注意すべきか?

すごいトピックやなと思ったが、本の中では質問をすると大体の人が傷つけないために注意しないという感じだったが、果たしてそれでいいのか?という問いだった。本人は避けられている原因がわからないままになるかもしれない。孤立し、終いには仕事を辞めてしまうかも。そして次の職場でも、また同じ問題が起こるのでは…。と書かれていた。 真のやさしさは、注意するという行動であり、そのためには勇気が必要となる。仲間のために思い切った行動にでる必要がある。 体臭ではないにしても、こういう機会はわりかしよくある。そのときに、どう振舞えるか…。自分は行動に出る派でありたい。まぁ注意するにしても、人前では避けるようにしていかんとなと思う。

やさしくするのは難しい

本のタイトルになっているだけあって、やさしさは技術なのだからポイントを捉えればやさしくすることができるのであるが、そのやさしさを阻害する要因がたくさん列挙されていた。

  • リソース不足
  • 共感力不足
  • 思慮不足
  • 「他人事」主義
  • 理想と現実の落差に無自覚であること
  • 生物としての攻撃性
  • 無力感
  • 「誰かがやるだろう」という思い込み
  • 選べない選択肢

トピックのタイトルだけでなんとなく想像がつきそうなものが多い。余裕がなかったり、他人と干渉することを面倒臭がったり、やさしくしているつもりだったり、やっても無駄と感じてしまったり、自分がやらなくてもよいと思ったり。 全能感を持ってやさしくすることはできないし、その場にあるリソース・判断力で自分の中にある倫理に則った行動でやりくりしていくしかない。しかし、リソースが枯渇しすぎると、判断力が鈍る。マイナスの要因に気付けるよう、自分を見つめなおす、考える時間が必要。

利己主義と善は相反さない

世の中は「やさしくすると得をする」という結論になっていると論理的に導けるという。やさしさは常に他人のことを考えて自分を犠牲にして・・・と捉えられる場合があるが、本当はやさしい人の大半は利己的な動機に基づいて行動している。他人のために行動して自分も得をする。ここでは、賢い利己主義者と書いてあったが、違う本でも同様なことが書いてあって「健全な自己中心主義」と呼ばれていた(たしか)。健全な自己中心主義は、「だれかの為に役に立ちたい!喜ばれたい!」という欲求に従って善いことをするやつだったと思うが、そういう気持ちに火のついた人・チームは強い。

やさしさと成功の関係

成功とは何か?

本を読んだ感じだと、成功とは判断に時間のかかることで、死後に成功することもあるし、その逆で成功と思われていたが大惨事になることもある。年収などの外的要因を成功の尺度とした場合、最初はいいが慣れてくるとだんだん幸せを感じにくくなるという(まぁわからんでもないけれど年収が高いに越したことはないと思うが…)。外的要因に幸福度を求めれば求めるほど、青天井なので不幸を感じやすくなる。やはり大事なのは内的要因なのだ。内的要因による成功の定義は自分しか行うことができない。

やさしくなると成功する

成功者になるための行動が2つに集約されていた。

  • やさしい人になること
  • ものごとを判断する際、常にやさしさを基準とすること

「上司だって褒められたい」というところを読んで、感謝はちゃんと伝えなければと思った。また、「批判をしないのは相手が成長する機会を奪うこと」というのは気を付けたいポイント。ポジティブな批判、というかフィードバック。攻撃ではなく、仲間意識・思いやりを持った助言。前半のほうにもちょろっと書いたが、個別に。人前では避ける。

自分の欠点や失敗をオープンにするというのも、他人の欠点や失敗に寛容になるための行動。

衝突が避けられないとき

アンガーマネジメント的なことも多少書いてあった。運動がいいとか。 衝突は敗者を生む。なので、なるべく避けたほうがいい。妥協点を探る等。衝突してもメリットはお互いにほとんどない。面白いプラクティスに、視点を変えるというものがあった。ある物事の反対派と擁護派に分かれて議論すると、新たな気付きが生まれ、妥協点が見つかるようになるというものだ。自分の正しさの論理にしがみつくと、相手を従わせようとしている感じになってしまい、反発を食らってしまう。相手の論理がどうなのか?を自分なりに考える機会をお互いに設けることで、妥協点が見つかりやすくなるのだろう。そこでの気付きが、自分を変えるキッカケになる。人間は変わることができるが、それはあくまで内的要因からしか難しい。 衝突が起きた場合、大事なのはその後の行動。新しい関係を築けるように全力を出すこと。もし失敗してネガティブな感情を抱くと、自分を見失ってしまう。より攻撃的になる。 「もうこんなことはしないし、したくない」と決心すること、と書いてあったが、これを誠実に伝えられるかどうかだろう。

まとめ

やさしさとは、倫理的になり、行動すること。倫理感を育てるには、自身の行動を振り返り、よくなかった点について内省する必要がある。よく言われることだが、刃を研ぐ時間は、どんなことに関しても必要なのだろう。そして、思いやりを持って、勇気をもって、行動しよう。その思いやりは、巡りめぐって、自身に返ってくる。