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仕事の説明書読書会5回目のまとめ

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

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前回の記事はこちら。

patorash.hatenablog.com

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5回目は5章の途中から。

定型化された分析手法

よく使う分析手法として、移動平均ヒストグラム、ファンチャートについて紹介されていた。

トレンドを把握するための移動平均

日々の売上の棒グラフを見ていると、平日と週末とでは売上が異なるため、変化の傾向がわかりにくい。そこで、移動平均を使ってトレンドを把握する。

注意する点としては、移動平均だけを見ていると、スパイクした場合に(一時的に爆発的に値が上下する)それを検知できない。そのため、トレンドだけでなく日々の値も重要となる。

雑談では、SNSとかで取り上げられて云々とかはあるけれど、これはインフラやアプリケーション開発をやっていても、例えばYahoo砲(Yahooニュースに載ることでアクセスが集中すること)でサーバの負荷が一時的に一気に上昇することがあったりするので、日々の値は重要だし、普段のサーバの負荷のトレンドを見るという意味では、移動平均も重要ですよという話をした。

データの分布を確認するヒストグラム

ヒストグラムは横軸に階級、縦軸に度数を持たせて、どのようにデータを分布しているのかを見る。平均値だけに注目すると、実は平均値周辺の値は低くなっていたりする。本の中では3つのケースが紹介されていた。どのケースでも平均購入額は同じになっていたが、全然印象が異なる。平均だけで語ってはいけないなと再確認できた。

データの基準を定めて推移を確認するファンチャート

あるときの値を100%として、それと比較することでの変動率を見る。売上だけに注目していると、大した変化がなさそうに見えるが、地道に売り上げが伸びてきていたり、徐々にさがってきていることが可視化される。

売上と費用に関する指標

利益は売上ー費用である。利益の構造と目指すべき姿について、取り上げてあった。

  • パターン1:売上はそのままで、費用を減らす(効率化)
  • パターン2:売上を増やして、費用はそのまま(改善)
  • パターン3:売上を増やして、費用も減らす(選択と集中
  • パターン4:売上を増やして、費用も増やす(積極投資)

雑談では、現場ではパターン1がよく求められるなぁと。費用を減らすのは、組織の内部の話なので比較的やりやすい。しかし、これをやりすぎると本来必要であったものまで削ってしまう可能性が出てくるので、本当に気を付けなければならない。 改善は、費用の使い方を改善するという話だ。効果的に潜在顧客にアプローチできるようになれば、投資費用は同じでも効果的となる。 選択と集中は、そういうケースもあるという話ではある。それとは別で「やり方を変えろ」という話も出てきた。改善や効率化では太刀打ちできないレベルのことになると、そもそものやり方自体を全く異なるアプローチに変えることとなる。このあたりの話は本田宗一郎さんの話だっただろうか…昔読んだ本で、これ以上燃費を良くするには改善じゃなくてやり方を変えないとダメ、そこに知恵を絞れ、みたいなことを言ってたかと思う。 積極投資は、できれば一番いいところだ。攻勢に転じて、攻めれば攻めるほど利益が出るので、費用も惜しみなく投資しても問題ない。勢いのある会社はこういうところがある。また、コストカットばかりを掲げるところは魅力的に映りにくいという話もあった…。個人的には改善や効率化は好きなのであるが、確かに切り詰めることばかりを考えていると、大きな考えがしにくくなるなぁ…と思うときがある。

費用に関する指標

クリック単価(CPC)や顧客獲得単価(CPA)の話が出てきた。これらは低いほうが望ましい。

売上に関する指標

売上に関する指標は多く出てきた。1訪問あたりの売上、1訪問者あたりの売上。顧客一人当たりの売上平均額(ARPU)。課金顧客一人あたりの売上(ARPPU)。顧客生涯価値(LTV)。これらを読んでいるときに、沖縄のWeb制作会社の話を思い出した。

tokyofreelance.jp

サブスクリプションをやろうとすると、月額で考えるよりもLTVで考えて、この顧客は〇〇万円まで払ってくれるであろうから、ここまでなら広告費出せるとか、最初はここまでの赤字は覚悟できるけれど数年後には黒字に転じるはず、みたいな戦略が立てられる。

顧客の獲得と売上に関する指標を比較する

投資回収率(ROI)と広告回収率(ROAS)の話が出てきた。ROIが100%を上回る状態であれば、健全に広告が運用できていると言える。積極投資が可能だ。

4種類の分析アプローチ

本より引用すると、

  • 現状把握型分析
  • 問題探索型分析
  • 仮説検証型分析
  • 価値創造型分析

現状把握型分析

現状を数値化・グラフ化して推移を見える化・パターン化など、可視化することで判断をしやすくしている。

問題探索型分析

読んでいるとわかるが、これは本当に大変そうだ。依頼者も問題がわからないから、あたりを付けてほしいというところのため、いろんなパターンでの分析を泥臭く行っていかなければならないという話であった。大変だからこそ、価値があるのだろう…。

仮説検証型分析

「〇〇という条件下においては、他のものよりも向上する」みたいなものを検証する分析。仮説検証もやってみるグループとやらないグループに分けて実際にそうなるのかを証明しないといけないので、大変そうではある。しかし仮説が立てられるからこそ、アクションを導くことができるので、正しければ迷いなくそのアクションを継続できる。

価値創造型分析

価値創造型分析は分析結果そのものが価値を生む、というものだった。Amazonのリコメンドや、機械学習による与信審査など人の手によって行われていた分析をコンピュータ任せにできる。

まとめ

データ分析はなんらかのアクションを導き出すためのものだから、大雑把にでも把握できることが大事。データをグラフ化し、比較できるようにする。そこから見つけられる変化やパターンから仮説を立てて検証していく。データ分析なしでは問題の原因を探れずに闇雲になってしまう。問題定義と問題解決の質を高めるにはデータ分析が必須と言えるだろう。

雑談では、勤務年数の長い人から「すぐに役立つかと言われると別に…」みたいな言われ方をしたりしてしまったのだが、読書会の目的は「仕事に対する新たな考え方・視点をインストールすること」なので、そういうことじゃないんだけどな…という気持ちになった。むしろ、「こういう視点があればあのときの提案が違っていたかも」とか、自身の経験に合わせて振り返って、それを若者に伝えてほしいなと思ったので、今度そういうことを伝えてみようかと思う。