patorashのブログ

方向性はまだない

投資で大損した時に学んだこと

これは投資・資産運用 Advent Calendar 2017の9日目の投稿です。

adventar.org

私が投資家デビューしたのはFXだったのですが、実は一度退場に追い込まれたことがありまして…。それが、リーマンショックでした。 なんでFXにしたのか?とかは別の機会で書くことにします。

なぜリーマンショックで退場せざるをえなかったのか?

リーマンショックってなに?っていうのはググってください。ざっくり言うと大手のリーマン・ブラザーズが破綻したことによる衝撃で資産を守るために様々な金融商品が売られて世界中で大暴落を引き起こしたって感じです。

まぁロスカット(強制決済)になってしまったからなのですが、どうして強制決済になったかというと、レバレッジをかけ過ぎていたからです。

レバレッジとはなんぞや?

レバレッジとは、いわゆるテコの原理というやつで、持っているお金以上の金融商品に投資することができるものと考えてください。株の世界では「信用取引」というものがありまして、これもレバレッジの効いた取引です。

500円持っていて、500円以下の買い物をする場合はレバレッジのない状態です。 500円持っていて、それを担保に1500円を借りたとしたら、レバレッジ3倍の状態です。

レバレッジのないパターン(得する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考え、5つ買いました。 すると、このお菓子が品薄になり、130円で売られるようになったので、130円で売りました。 130円で売れたので、130x5=650円となり、150円儲かりました。

うん、普通ですね。

レバレッジのあるパターン(得する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考えました。 「このお菓子は絶対に人気が出るだろうから、500円を担保にお金を借りよう」 そして、1500円を借り、15個買いました。(レバレッジ3倍) すると、このお菓子が品薄になり、130円で売られるようになったので、130円で売りました。 130円で売れたので、130x15=1950円となりました。 ここで借りていた1500円を返しましたので、担保にしていた500円は戻ってきました。 手元には、もともとの500円と、1950円 - 1500円 = 450円を併せた950円が残りました。

同じ500円という元手なのに、レバレッジがない場合は150円しか儲からず、 レバレッジのある方は450円も儲かりました。

ウハウハです。

レバレッジのないパターン(損する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考え、5つ買いました。 しかし、このお菓子が大量生産され、じわじわと値下がりし、70円で安売りされるようになりました。 値上がりしそうもないので仕方なく70円で売ってしまいました。 70 x 5 = 350円になりました。

150円損はしましたが、手元には350円残っています。

うーん、まぁ、普通です…。損したけど。

レバレッジのあるパターン(損する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考えました。 「このお菓子は絶対に人気が出るだろうから、500円を担保にお金を借りよう」 そして、1500円を借り、15個買いました。(レバレッジ3倍) しかし、このお菓子が大量生産され、じわじわと値下がりし、70円で安売りされるようになりました。 500円を担保に1500円を貸してくれた人は、「これ以上損はできない!」と強制的に70円でお菓子を売り、担保の500円も回収しました。 手元には、何もありません。0円になりました。

悲しくて涙が出てきます。

レバレッジのないパターン(もっと損する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考え、5つ買いました。 しかし、このお菓子が全く人気が出ず、突然20円で安売りされるようになりました。突然です! 仕方なく20円で売ってしまいました。 20 x 5 = 100円になりました…。

400円損はしましたが、手元には100円残っています。

苦しいけれど、うん、まぁ…。

レバレッジのあるパターン(もっと損する編)

たとえ話をします。

100円のお菓子があります。 私は500円持っています。これを売って儲けたいと考えました。 「このお菓子は絶対に人気が出るだろうから、500円を担保にお金を借りよう」 そして、1500円を借り、15個買いました。(レバレッジ3倍) しかし、このお菓子が全く人気が出ず、突然20円で安売りされるようになりました。突然です! 500円を担保に1500円を貸してくれた人は、「これ以上損はできない!」と強制的に20円でお菓子を売り、担保の500円も回収、さらに損した分700円を要求してきました(いわゆる追証)。 手元には、借金700円が残りました。

こうなるともう吐き気が止まりません。

レバレッジ、ヤバい(両方の意味で)

うまく使うと、めっちゃ儲かるし、下手をすると借金まで抱えてしまうことになるのが、レバレッジです。

FXは基本的にレバレッジを使って儲けようという商品です。まぁレバレッジ使わないとただの外貨預金みたいなもんですからね。

当時、世界の景気はよくて(日本以外は)、すごく高金利でした。私もたまたまFXの情報を見つけて、豪ドル/円でとりあえず始めてみたら、1ヶ月で20万円が30万円になったのでもうやるしかないと思って本格的に取り組み始めたのです。

スワップがすごい

スワップっていうのは利子と思ってください。豪ドルの利子が年6%くらいだったかな…。あんまり覚えてないんですが、それくらい。日本はゼロ金利ですよね。差分の金利がもらえる金利です。つまり、ほぼ6%です。当時、豪ドル円を100万円分買っていると、1年で100万円が106万円になるんです。すごい。

スワップxレバレッジの甘美な果実

ちなみにスワップにもレバレッジかかります。つまり、レバレッジ3倍かけると金利が18%になります。強制決済されなければ、年利18%ですよ。放っておいても儲かるんですよ。1年で100万が118万になるんです。すごいですね。もし値下がりしても金利が損を補填してくれます。これはもう負ける気がしませんね!!そう、強制決済がされなければね!!

強制決済のライン

レバレッジ3倍ということは、三分の二に値下がりしたら強制決済されると考えてください。当時はレバレッジ規制もほぼなくて、レバレッジ400倍とか狂ったこともできたのですが、私はビビりだったのでレバレッジ3〜5倍でやってました。というのも、「レバレッジ3倍くらいならば安全圏でロスカットされるようなことはない」と本で読んでたからです。この頃はドル円は120円前後で、FXの本を読むと「ドル円が100円を切ることはない。切ったとしたらそれは異常事態ですよハハハ」みたいな論調でした。まぁ100円どころか78円まで行くんですけど。

学んだこと

リスクコントロール、大事!ものすごく、大事!!!

  • レバレッジを上げすぎるな
  • 金利通貨は信用するな
  • 勝負するんならストップロス入れろ
  • やっぱりドル円がいい

レバレッジをかけたら安全圏はない

少なくとも、3倍は安全圏ではないです。特に高金利通貨だと。ドル円ならレバレッジ2倍なら安全圏だと思うけれど(保証はしません)。

金利通貨、金利以上に暴落する

損失を補填どころかどんどん損失を出します。スワップなんて焼け石に水だったんや…。(今もトルコリラに苦しんでいる)

金利通貨、暴落するとスワップも減る!

どういうこと?と思うかもしれませんが、金利が変わらなくても資産価値が減ったらスワップは減るんです。金利が6%だったとして、100万円の商品を持っていたら、6万円の利子がつきますね。しかし、その商品が暴落して80万円になったら、80万円x6%=4万8千円しかもらえません。目論見から1万2千円も減るんです。ただでさえ20万円の損をしているのに。レバレッジを効かせていると、減る量も3倍です。つまり、補填が減るので回復しづらくなります。これは滅入る。

レバレッジをかけて勝負するんならストップロス絶対に入れろ

出た利益分を使って勝負をかける時があるんですが、最低でもその利益分以上の損失が出ないように勝負しています。例えば、2万円儲かったので、次はその2万円を元手にして損失が2万円に収まるようにしてレバレッジをかけて勝負する、とかです。

やっぱりドル円

ドル、ほとんどスワップつかないけれど、為替差益をメインに取引したほうがスワップ狙いより安全だと思います。高金利通貨は、スワップがあるから、逃げ出すのを躊躇してしまうという弱点があるし、両建てがしづらいです(両建ては売りと買いを共存させる手法)。高金利通貨を売ると、味方になってたスワップが今度は逆に敵になるんですが、すごく高いので、買いと売りで同じ量持つと日々消耗していくことになるからです。ドル円だと、マイナススワップ大したことないから、両建てもそれなりに気軽に行えます。 殺人通貨と名高いポンドも好きですが、まぁあれ本当にヤバいので…。

まとめ

いかにして勝つかより、いかにして負けずに戦い続けるか、というのが大事だと思います。一度退場すると、戻ってくるのにはかなりの時間がかかります。未だに前に損失した以上の利益は出せていませんし、現在も相当の含み損を抱えていたりしていますが、レバレッジを低く設定して、生き残るほうを選んでいます。下落が続く高金利通貨も、強制決済さえされなければ、いつかは逆転するかもしれません。

生き残りましょう!