- 作者: 川原慎也
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: 単行本
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これだけ!KPTを以前に読んだことがあったので、これだけ!PDCAも読んでみたかったところ、ブックオフに売ってあったので買ってみた。
なぜPDで終わってしまうのか?
現場でよくあるのは、PDで終わってしまい、CAにたどり着けないパターンである。この本でも冒頭でそのことに触れてある。なんでそうなるのか?それは、計画が計画になっていないからであるということだった。
偽物の計画
計画は本来、
- 何を
- 誰が
- いつまでに
- どうやって
実行するのかが明記されていなければならない。 ところが、計画らしきものには、
- 何を
- いつまでに
しか存在せず、誰がどうやって実行するのかがほとんど明記されていない。
つまり行動レベルにまで計画が落とし込まれていないため、行動できない。しかし、それっぽいものになっているので、その計画にはとりあえず満足してしまう。これこそが、自分たちのPDCAがうまく回らない原因だなぁ〜!と納得した。何か目標を立てたりした場合でも、いつまでに何をするはよく考えるのだが、だいたい計画倒れで終わっていた。これも、どうやってまでを考えずにやっていたせいじゃないかと思う。
それでも仕事は回る
悲しいことに、その計画らしきものでも、とりあえず仕事や家事は回ってしまう。しかし、それでは成長は見込めない。
評価制度と現場の乖離
成果主義になり、決めた目標の達成率を見られるようになったとき、目標を達成できていなかったら評価が下げられてしまうため、簡単な目標ばかりを設定するようになってしまう。また、効果が出るまでに長い時間のかかるものへの挑戦が減ってしまう。長い目で物事に投資することができなくなってしまい、成長度が低下していく。
全ての目標は目的に向かっていくためにクリアすべきこと
目的を見失ってはならない
目的を見失ってしまうと、手段の目的化に走ってしまう。本来は、会社のビジョンを達成するための目標として、Aに取り組むという視点なのに、気づいたらAに取り組むことが目的化してしまい、会社のビジョンを達成するためであるということが忘れられてしまう。なぜ、がわからなくなるので、Aに取り組むための意義が見いだせなくなり、意味がなくなったり、義務感で行うようになったりしてしまう。
本の中では、日報の記入が例としてあげられていたが、本当にあるあるだなーと思った。私も日報によって何に取り組んでいたか、どこでハマってたか、何に悩んでいるかなどの共有は価値があると思うのでやるべきだと思うのだけれど、目的の共有化ができていないと、ただの面倒臭い作業になってしまうだろうと思う。
PDCAは、まずCから始める
これは確かに!と思わされたのだが、まずは現状把握である。身の丈にあった計画づくりから入らないと、絵に描いた餅になってしまう。
通常業務がある前提で計画を立てる
どんなに立派な計画が出来上がったとしても、日々の業務は存在しており、それはちゃんとこなさなければならない。そしてギリギリの人数で業務に取り組んでいるところがほとんどだと思うので、まずは現状の振り返りから始めることが大事である。
事実を正しく捉える
人は問題になっていることを表層的に捉える癖があり、すぐに解決策を考えてしまうのだけれど、それでは根本的な原因を解決することができない。なぜ、なぜ、なぜ…と掘り下げて正しい事実認識ができるようになろう。
改善はスピード感が重要
問題を発見した場合は、早い段階で改善・処置をすれば、それだけ効果が出やすい。結果を厳しく受け止め、早いタイミングで修正していくことが大事。
目標にぴったりのKPIを見つける
問題を発見するには、KPI(重要業績評価指標)が大事で、それを設定していなければ問題にすぐ気付くことができない。改善はスピード感が重要なので、気づけなければ致命的なことになってしまう。逆にいえば、KPIがあれば振り返りが簡単になる。
成果に繋がるKPIでなければ負担が増えるだけ
安易に「これをKPIとする」とやってしまうと、効果的な振り返りが行えない。その数字を追いかけ続けなければならないという負担が発生するので、KPIは考えに考え抜いて、成果に繋がるものにしなければならない。
改善を妨げる「しがらみ」
しがらみには、以下の4つがあると著者は書いている。
- 評価制度によるしがらみ
- 情報共有をすると評価に不利になるパターンが存在したりするもの。
- 組織構造によるしがらみ
- 縦割による断絶や責任の押し付け合い
- 習慣によるしがらみ
- マニュアル化されている悪習に気づかない
- 考え方によるしがらみ
- うちの業界は特殊という決めつけなど
しがらみを打破するために
しがらみを打破するためには、関係者を巻き込んで会議を行い、目的・目標を共有することが大事であると書いてあった。かといって闇雲に会議を開いても、大勢の時間を消費する会議であるので、効果的な会議を行わなければもったいない。
本書でも大切なのは会議の目的であると書いてある。あれこれ詰め込み過ぎず、目的を決めて議論を尽くさなければ人は動かない。
PDCAでチームの基礎力を上げていく
本の中では、野球チームの話で語られていたが、当たり前のことのレベルを上げていくことが重要であるとあった。難しいことを当たり前だと思うレベルまで高めることができれば、強いチームになる。リーダーにはそこにこだわってもらいたいということだった。
気づき
するすると読むことができて、PDCAの肝部分はよくわかったのだが、タイトル通りの「これだけ!」というのが、これだけ???(いや多くね?)という意味でちょっとなぁ〜という感じはあった。PDCAというとついついPから入ろうとしてしまうのだけれど、まずCからというのは説得力があった。目的地の載った地図があっても自分の位置がわからなければ意味がないという話があったかと思う。
個人的にも時間をかけるのが面倒臭くなって「計画らしきもの」で終わっていることがたくさんあったので、ちゃんとした計画にまで落とし込んで、PDCAサイクルを回していけるようにしていきたいと思った。
- 作者: 川原慎也
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