- 作者: 田宮直人,西山悠太朗,パブリック・ブレイン
- 出版社/メーカー: 土日出版
- 発売日: 2019/07/08
- メディア: 単行本
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前回の記事はこちら。
ちなみに私は10回目には体調不良のため、参加できなかった。そのため、読書会のまとめではなく、個人の感想のまとめとなる。
情報のフィードバックを大切にする
レポート化など、見やすい形で提供することは重要である。最近は自分もそれをよく痛感しているが、なかなか取り組めていない。
進捗をメンバー間で共有する
良い結果の模倣など、他の人とのやり方の違いを意識するなど、よい効果が出る。
ゲームに勝つための材料を提供する
画一的な視点でのフィードバックだと、他の点で優れている人が見えなくなる。優れている点はちゃんとフィードバックして、モチベーションを高くもってもらう。データを提供することで、ゲームに勝つためにヒントが得られるかもしれない。
フィードバックの仕方を工夫する
単に数値だけを伝えるのではなく、具体的な改善アクションをフィードバックとすることで活気づくという話があった。バレーの話ではあったが、営業とかだと、あと訪問件数を2件増やしましょう、みたいなことだろう。そう言われると、できそう、と思わせられる。
定性的なフィードバックについて
定性的なフィードバックのところは、あるあるで面白かった。あとよく聞く名言もいくつか出てきた。ヘンリー・フォードの名言は自分もよく使う。
もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、 彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。
ジョブズの名言の
多くの場合、人は形にして見せて貰うまでは自分が何が欲しいかわからないものだ。
というのも、共感するので、何かしら企画をするようになったらまずモックを作ったり、ワイヤフレームを作って探りを入れるのがいいとよく思う。
あとは、サイレントマジョリティの話。声のでかい人のいうことを参考にすると、モノを言わない大多数からの評価が落ちることもあるから、慎重でありたい。
他人を驚かせる仕事をする
人は期待値を超えてくると、驚く(いい意味のほうで)。そこで、価格・早さ・質で期待値を超えるための方法などについて言及してあった。
価格で期待値を超える=安くするということなので、慎重になるべき。ディスカウントしていたものを定価に戻しただけで、値上げしたという印象にもなりかねない。
早さについては、締切よりも少し手前で仕上げるというのが期待値を上回るポイントだと他の書籍で読んだことがある。ここでも同じようなことは書いてあったが、早さを提供するために残業などオーバーワークになってはいけないというふうに諭してあった。業務の先読み・作業の定型化で効率を上げる等で対応。
質については、言われたことをそのままやるだけでは超えられない。一歩踏み込んで、気配りを見せる。そのためには相手の立場にたつ想像力が大事。
その他、期待値をコントロールする、期待値の低い仕事こそがチャンスというふうに書いてあった。敢えて期待値の低いところから始めるとハードルが低いとか、できて当たり前のところをしっかりと準備することで、相手からの印象をよくするというところだ。たしかに、できて当たり前のところがルーズだと、印象は悪くなる。ここに書かれていた議事録のこととか、まさに自分がやっていることとピタッと当てはまっている。事前にレジュメを準備し、先に議題を書いてもらい、返答できそうなことは先に書いてもらう…。至極当たり前のようなことなのだが、私がリードしていく、と決まるまでは殆ど出来ていなくて割と行き当たりばったりだった。今はかなり会議が機能している。
ルールを柔軟に変更する
ルールを変更するときの話。これは最近はよく市場側がルールを変更してくるので興味深かった。
- より効率よく勝つための手段を発見したとき
- 本来勝ってはならないロジックやチームが勝ってしまった時
- 市場が変化した場合
より効率よく勝つためのルール変更はポジティブなやつ。本来勝ってはならないというのは、所謂「ズルイことは許してはダメ」ということだ。本の中では、売上上位者ボーナスを出すルールがあった時に、その月に勝てないと踏んだ人が売上がたつ日を調整して翌月に回す、などをすると期待した結果にならないからNGのため、ルール変更やむなし!という話だった。
市場が変化した場合については、例えば、法律が変わって規制が厳しくなったり、逆に緩くなったり等。これは変えざるを得ない。また、最近ではプラットフォームの上で商売をすることが増えている(Amazon, 楽天, LINE, Google, Facebook等)。そのプラットフォーマーがルールを変えてきたり、プラットフォーマー自体が競合サービスを開始したりするので、これもまた厳しい。最近だとgithub actionsとかがCI, CDサービスを潰しにかかってるんじゃないか?と言われたりもしている。プラットフォーマーからすると、既にニーズはあり、新たな収益源にしやすいので簡単だが、突如参入された側はたまったものではないだろう…。プラットフォームは利用しつつ、依存しすぎないようにしなければならないだろう。
成長できる環境に身を置く
自分の居場所を示す3つのゾーンの話は、面白かった。コンフォートゾーンは他の書籍でも出てきていて、所謂、ぬるま湯に浸かってないか?という疑念は常に抱いとけという話だったかと思う。コンフォートゾーンから少しずらしたところに身を置いておく必要がある。
ラーニングゾーンという言い方は初めて聞いた。いい言葉だなと思う。不安はありつつも成長できる場所。
パニックゾーンは多少の背伸びを超えているところになるので、まさにパニック。冷静さを失ったりもするので、上司に相談するなどして客観的に対処してラーニングゾーンに移行できるようにしていきたいところ。
成長曲線
成長曲線は曲線というだけあってまっすぐではない。なかなか成長できない「練習の高原(プラトー)」という停滞期を迎えるとある。あのなかなか伸びない時期ってプラトーっていうのか!というのが新鮮だった。停滞期があることを踏まえたうえで、踏ん張ることができれば、ラーニングゾーンに行けるが、諦めてしまうとコンフォートゾーンに逆戻り。成長は継続の力によってのみ超えられる。そのときに、新たな視点を入れるなど、さまざまな方法でプラトー克服にチャレンジしてみるとよい。
目標を正しく理解し行動に繋げる
仕事における目標設定と、個人のおける目標設定について書いてあった。仕事で設定される目標は会社からの期待であったりするので、そのメッセージを読み解いて目標を達成していければよいと思う。明確であれば、成果を強調できる。
問題は個人の目標だ。個人のほうは、ルーズになりがちなので、行動科学マネジメントのアプローチで行動を管理するとよいというアドバイスがあった。例えば、ダイエットであれば、2つ手前の駅で降りるという先行条件を設けることで、不足行動であるウォーキングを促すとか、ライバル行動であるラーメンを食べるのを避けるために、ラーメン屋のない道を通るようにするとか…。難しい。
イシューツリーで目標を細分化する
大きな目標を叶えるには、ステップに分割していくほうがよいので、ここでもイシューツリーを使って目標を細分化し、戦略レベルに落とし込むようにしてあった。大きな目標だと取り組みにくいが、小さな目標だと身近なため、取り組みやすい。肝に銘じておきたい。
自分の未来を定義する
この節で書かれていることは、中堅には響くないようではないだろうか。技術評価と行動評価の両輪をもって評価基準となるので、周囲によい影響を与えられる人は、よい人ということになる。例え技術力が高くても、それを周囲に共有できなかったり、しなかったりするのは、よいエンジニアとは言えない。自分が考える組織の理想像、そして、その中で自分はどういう存在でありたいかというビジョンなしには、闇雲に働いているだけになっていくのではないだろうか?
VUCAという略称が出てきた。これは予測不能状態ということを表す。そんな時代だからこそ、Vision・Action・Analogyが重要と語られている。時代は変化するが、変わらないものは何かを考えるというのも面白いなと思えた。
自分のレベルをどのように上げていくか考える
これもまた自分の能力をパーティ編成になぞらえて書かれていた。技術1本で鍛え上げたら勝てる可能性もあるが技術が通用しないケースなどの変化に弱い。バランスよく育っていると、ミックス効果でうまくいくことはある。色々手を出しているものの、あまりに浅い(レベルが低い状態)と敵に太刀打ちできるレベルではない。
まぁこれは正直難しい話題でもある。ミックスはバランスがいいけれど、いろんなことを学習するコストが高くなるうえに、超スペシャリストには敵わないという状態になり、私のような心の持ち主だと劣等感にやられそうになる。ただ、そのスペシャリストがすごいかどうかを見極める目とかは養えるだろう。技術特化すると確かに強いけれど、その技術が衰退するとマズいというのもある。とはいえ、技術力が高ければ他の技術力も上がりやすいというのはある。自分のケースは20代の頃の多読のおかげでミックス型を保てている感じなのだが、もともと情報系をやってきたわけではないので、ずっとその劣等感はある(だからこそその危機感で勉強するというのもある)。
次回は、8-8からなので、次で絶対に終わる!