- 作者: 田宮直人,西山悠太朗,パブリック・ブレイン
- 出版社/メーカー: 土日出版
- 発売日: 2019/07/08
- メディア: 単行本
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前回はこちら。
今回は私が仕事の都合で参加できなかったため、読書会のまとめではなく、追い付くために私が読んだまとめです。
顧客の流れを意識する
マルチエントランスとワンウェイコントロール
弊社の製品では買い回り分析とかをしていたりするので、興味深い内容であった。IKEAにも行ったことはあるが、一本道で全部見なければならない反面、色々とみることができて楽しかった思い出がある。目的の物以外も衝動買いしてしまう仕掛けがどちらにもあって、なるほどなと思った。ワンウェイコントロールだと、戻るのが億劫なので、その場で結構考えさせられる。
サイトはマルチエントランスであるにも関わらず、ワンウェイコントロールしようと導線を考えたりしているような気がした。まぁある程度は導線は必要なのではあるが、この順番で学習すれば問題ないだろう…みたいに考えるのは良くないなと思った。
別の領域から着想を得る
アナロジー思考を使って、自分への理解を深め、新しい着想を得て相手への説明を容易にする。
類似には、表面的類似と構造的類似があり、アナロジーで扱うのは構造的類似。構造的類似にも物理的構造と機能的構造があり、それらについて、ゲームのハードを例に紹介してあった。
自分の思い出になるが、ファミコンはコントローラーの十字キーの下ボタンがやけに効きにくくなって、RPGの移動に苦労するようになったが、コントローラーは着脱式ではないので、分解が必要で、兄が分解していたのを覚えている。スーパーファミコンになり、コントローラーは着脱式に。プレイステーションになり、メモリカードは別売りに。買うものは増えたが、利便性は向上している。ちなみにファミコンだとドラクエ3の冒険の書はよく消えるので一度挿したらクリアするまで抜くなというルールになった。
分解できないだろうと思っているものを分解していくというのは、面白いのかもしれない。昨今のクラウドサービスでも、大概のものは分解されて疎結合になっていっている。別のサービス同士でつなぎ合わせることができるので、それはそれでいいのかもしれない。わかりやすさとのトレードオフにはなると思うが。例えばプレイステーションだと、メモリカードの買い忘れとか絶対によくあったと思う。
アナロジーを用いる際のポイント
以下、引用です。
- 相手の理解している領域を用いること
- 構造的類似があること
- 意外性があること
相手の理解している領域が何であるかを知っていないと、例えにくいので、相手の興味を聞き出して情報非対象ゲームにしておく必要があるなと感じた。そうなると、やはり雑談力が大事なのではないか。
例え話が苦手な人の話は回りくどく、利便性の説明をするために具体的な話に持っていきがちなので、よく「もっと抽象的に話してほしい」と思うことはたまにある。その抽象さこそが、アナロジーなのだなと思った。
6章のまとめ
自分たちが今どこにいるのか、なにを目指すべきなのかを知るための分析をもとに、現状を理解し、戦略(どのように戦うか)に落とし込むところを学んだ。また、その戦略が正しいのかを確認する手法や、仕事をゲームとして捉えた時の攻略方法として着目するべきポイントなどを学んだ。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がしっくりとくる章だった。
そして7章へ…
7章:仕事を前に進める
仕事を前に進める心構え
今までは戦略を立てるところまでだったが、ここからは実行に移すためのヒントが詰まっていそうだった。遊びと仕事の違いは、「自由意志の剥奪」だが、仕事で「自由意志を獲得」をするために必要なことについてが書かれている。
規定演技と自由演技
アイススケートのショートプログラムとフリープログラムの例があったが、ショートで高得点を取っていなければフリープログラムに進むことができない。これは仕事でも同じで、言われたことをしっかりこなせる実力がないと、自分で考えた仕事をさせてもらうのは難しい。この人には任せられるな、と思ってもらえてこそである。
小さな成功を手にする
いきなり大きな成功を目指すと、立ちはだかった壁に圧倒されてしまい、モチベーションが持たない。小さな成功でいい。少しでも前に進んだ、という達成感を足掛かりに、積み上げていく。
別の本で読んだことがあるが、成功にはストーリーが付き物で、困難が出てきて、それをクリアすると更にまた困難が出てきて、更にそれをクリアして…、最終的に目標をクリアするというのは、世界共通のフレームワークなのだという。どの物語でも、そう。それこそ、RPGのように、いきなり魔王に挑むのではなく、最初は町の近くの塔に棲みついたモンスターを倒すところからでいい。
失敗が許される環境づくり
小さく始めてテストをすることを、フィジビリティスタディというらしい。初めて聞いた。小さく始めようとはよく言っている。
ABテストができる環境を整える
仮説の検証をしてもよい環境を作る。その検証過程で損失が出るケースがあるかもしれないが、それを許容できるように調整しておく。ここでの目的は、利益ではなく、知見を得ること。
投資の損切のルールにまで言及されていたが、あまりそういう意識でやったことはなかったかもしれない。確かに必要経費だと割り切れば、損切しても精神的な痛みは少なくて済みそうだ。
周りを巻き込む
チームメンバーの理想を高める
まさにこれが今やっている読書会の目的の1つである。理想を高く持たなければ、現状とのギャップが見えずに停滞してしまう。不満点が見えてくれば、それを解消するべく様々な打ち手を考案できるし、それが各々の自由演技となって楽しんで活躍できるはずだ。
ARCSモデルの動機付けはどういう勉強会をやっていけばいいかのヒントになる。「自分の役に立ちそうだ」と思えば積極的になれると書いてあったが、まさにそう。しかし、不安を抱えたままだとやる気が削がれたり、後回しにされる。不安を解消してこそ、ようやく取り組めるようになると思う。この勉強会とは別に社内でフロントエンド技術勉強会をしているのだが、これは明らかに役に立つのはわかっているけれど、なかなか取り組むキッカケがないものに対する不安を解消できれば、という思いでやっている(自分の不安も含む)。
自信がモチベーションにつながる。
30秒で説明する
エレベーターピッチの話が出てきた。エレベーターに乗っている間に説明できるくらいでないと整理できていないということだ。エレベーターピッチはアジャイルサムライに出てくる。
ピラミッドストラクチャー
ロジックツリーに似ているけれど、問題を深堀りするのとは別に、目標を戦略、戦術レベルの図に落とし込むのがわかりやすそう。
ロジックツリー・イシューツリーで発散した内容をピラミッドストラクチャーで収束してまとめるという感じなのかなと思う。これにより、30秒で説明できるくらいのボリュームに抑えることができるということのようだ。
視覚で訴える
1枚企画書のまとめ方について。1枚に簡潔にまとまっていると、アイキャッチとして有効で、その後の資料を読み進める気持ちにもなれそう。長いスライドだと、何が言いたいのかわからないのに読み進める不安感がある。
ここでは情報の整理の仕方がまとまっている。情報のグルーピング、情報同士の関係の表し方、視認性を良くするためのノウハウなど。最近買ったスライドの作り方の本などにも、同じようなことが書いてあったので、真似していきたい。
次回は、「7-6 許可を得よう」から。