- 作者: 田宮直人,西山悠太朗,パブリック・ブレイン
- 出版社/メーカー: 土日出版
- 発売日: 2019/07/08
- メディア: 単行本
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前回の記事はこちら。
指標を設定するための考え方
指標を定義するときの考え方も分解。成果指標を購買プロセスで分解して、プロセス指標を定義し、それらの転換率を調査する。転換率を高めるのが改善と言える。
ヒト・モノ・カネに着目して指標を決定する
ここで出てきた図がとても分かりやすかった。ヒト・モノ・カネで行と列を作ったマトリックス図だが、ヒトとヒトならば転換率、ヒトとモノならば購入点数、ヒトとカネならば顧客単価、というようにここに当てはまるのはなんだろう?と考えるのによさそう。
AMTULモデル
顧客意思決定プロセスとして、AIDAやAIDMA、AISASという理論があったが、それらは顧客がどの段階にいるのかという指標にするには難しい。指標化するには、AMTULモデルを使うとよいらしい(似たような略称で混乱する…)。
AMTULの段階 | 定量化する指標 |
---|---|
Awareness(認知させる) | 再認知名率 |
Memory(記憶させる) | 再生知名率 |
Trial(試験的に使う) | 試用経験率 |
Usage(頻繁に使う) | 主使用率 |
Loyalty(ブランドを決める) | 今後の購買意向率 |
これらはアンケートで定量化しやすいということのようだ。「〇〇を知っていますか?」のようなYes, Noで答えるようなやつで集計するとよい。
分析する軸を定義する
分析する軸をディメンションと呼ぶ。
指標とディメンションの違いは、問題を分解する4つの切り口で紹介されていた「要素分解型」と「因数分解型」で言うことができる。
要素分解型は、足し算型・積み上げ型と呼ばれ、分解した要素の総和が全体となる。Webサイトでいえば、PCとスマホのように分けられるのが、ディメンション。
因数分解型は、掛け算型と言われ、売上=顧客数x購入単価x購入回数のように因数分解可能なもの。これらのそれぞれが指標となりうる。
この、指標とディメンションを掛け合わせることで分析することができる(各デバイス毎の購入回数とか)。
ディメンションを定義する
ディメンションを定義するには、顧客データや購買データが必要となる。ディメンションを定義するケースについて紹介されていた。
日付・時刻
これらも積み上げたら100%の購入数などになるので、購入が多い曜日や時間で分けてディメンションにすることが可能。
年齢と性別
購入者の属性をディメンションとする。会員の生年月日が分かれば年齢がわかるので、分類可能。
以前は視聴率に関してザックリとした分類をしていたが(F1層・M1層とか)、昨今においては荒いという意見があるらしい。自社のサービス利用顧客の属性が十分にわかるのであれば、細かく分類して根拠のあるところでグループ分けをするべき。この例では、年齢というディメンションと予約単価の平均という指標を掛け合わせて、変化の大きなところを発見して、グループ化していた。
都道府県
地方でグループ化したり、都会でグループ化したり、寒冷地・海に近い場所などでグループ化したり。日本には四季があるので、先にその季節を迎えるところから先取りするなどが可能。
アクセス解析に関するディメンションの定義
深く書いてしまうことは割愛するが、サイトへの流入する経路をディメンションとしたり、キャンペーンページを見たかどうかをディメンションにするなど、興味深い話がよく出てきた。ここは何回か読んでおきたいところだ。
主張に応じたグラフを選択する
どういうときにどういうグラフを選択するか、という一般的なルールの紹介があった。王道は大事であるが、「何を伝えたいか」が最も大事であるので、敢えて違うグラフを使って表現することの例を示してくれていた。
集計単位をグループ化して、差を明確にする
月次を年次に替え、折れ線グラフを棒グラフにすることで大きな差があるようなインパクトを与えていた。実際、差は大きいのだけれど、折れ線だと差のインパクトが薄まる。やはり「何を伝えたいか」が大事。
データをグループ化して特徴を与える
平日と週末のデータに関して、色分けをして特徴を与えていた。どこが週末のなのかが把握しやすくなっていた。
視覚属性を与える
文字の濃淡や太さを意図的に変えることで、認識しやすくなる。文字だけでなく、グラフにおいても、長さを変えたり、棒グラフの幅を変えたり、集団の中から目立つように大きくしたり、マークを付けたり等など。
雑談で出てきた話だと、詐欺的なグラフとか、時々あるよねーというやつ。大きな差に見せかけて実は軸の数値が0始まりじゃないとか…。実際の差は殆どないとか…。どうもアンチな話に行ってしまいがちだけれど、そういうところは気を付けないといけない。
あと、会社で使っている表やグラフがわかりにくいとか。そういう意見が出てくるのはよかった。みんな思っているのにあんまり声に出さないってのは良くない。
個人的にはディメンションって言葉は知っていたのだが、よくわかっていなかったので、今回ちゃんと知ることができてよかった。