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仕事の説明書読書会3回目のまとめ(後半)

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜

前半はこちら。 patorash.hatenablog.com

4章に入った。4章は「数値化・言語化によりビジネスの解像度を上げる」というタイトルだ。

数値化と言語化の必要性

言語化すると数値化できる

ゲームのレベルデザイナーの話が出てきた。レベル2とはどういう状態か、を言語化すると自然とステータスの値が決まってきてレベル2の状態を数値化できるという話だった。

これは2章の問題解決のフレームワークの理想の状態を表すことのことだなと感じた。理想は注文がいっぱい入ることだが、いっぱいとはどういう状態か?本では生産可能な1日300個となっていた。状態を言語化すると数値が決まってくる。多分こういうのは、営業可能な数値とか、開発可能な工数とか、そういうのも言語化してから数値化できるんじゃないか?と考えた。

数値化すると言語化できる

ここでは、ソーシャルゲームのヘビーユーザー、ライトユーザー、ビギナーを、利用日数や経過時間でラベリング、グループ化していた。

ヘビーユーザーの定義を言語化して共有しておくと、説明がなくともヘビーユーザーというだけでみんながわかる、というのは確かにそうだ。ラベリングの力を感じた。パータンランゲージとか、デザインパターンもそうだもんなーと思った。共有できていると話が早い。

ラベルを用いて管理可能な状態にする

PPM分析の話が出てきた。PPMという略語は忘れていたが、問題児・花形・金のなる木・負け犬の4つに分けるやつだ。いろんな本に出てくるので何度か見たことある。Product Portfolio Managementか。

問題児は市場成長率が高いが競合も多いのでシェアを増やして花形に育てなければならない。通常、生まれたばかりの製品はここに属する。シェアを増やすことが目標となる。雑談では、最近のキャッシュレス決済の競争がまさにそれで、シェアを増やすためにめっちゃみんなキャッシュバックとかで投資してるよな~という話が出た。

花形は、市場成長率も高く、シェアも高い状態。ここでの利益を問題児に投資して新たな花形にしたりなどする。花形といえど、時間が経過すると市場成長率が下がってくるので、維持する努力が必要。

金のなる木は、市場成長率は低いがシェアが高い状態。伸びしろはないんだけれど、シェアが高いのでなんとかなっている。時代が変化すると一気に負け犬になりうる。

負け犬は、市場成長率も低いしシェアも低い状態。成長が見込めないので撤退するか検討するべきだが、それは他社も同様なので、他社が早期に撤退するとシェアが伸びて金のなる木に育つことがありうる。金のなる木に育つまで耐えられる資金力があれば、の話であるが…。

雑談で、「負け犬は今の時代だとFAXですかね~」と私が言ったら、「でもFAXは今、パナソニック以外売ってないんだよ。だから、パナソニックが資金力で他社が撤退するまで耐えて、シェア取って金のなる木にしたんじゃないか?」という興味深い話が出てきた。なるほど、確かに耐えればそうなるのか…。しかし本当にパナソニックにとって金のなる木なのかどうかは謎ではある(保守は大変だろうし)。でも価格競争しなくてもいいのはええのかも。 このあたりで、フロッピーもそうですよねとか、昔のデジカメは色んな記憶媒体があった。最終的にミニSDカードを出してきたSDカードが席巻したという話をおじさん勢が話していた。20代に「スマートメディアなんて初めて聞きました」と言われた。そりゃそうだろう…。

話を本に戻すが、本でもPPM分析は例で、これらのようにラベルを作ると話が入ってきやすくなるから分析結果をラベリングすることの重要性を説いていた。ポジショニングマップの軸を変えて、ラベルを変えることで、いろんなラベリングの可能性が見えてくる。ここでは、飲食店経営の例でガッカリ・定番・穴場・過疎というラベルに分けるのが出ていた。わかりやすい。

言語化が先か、数値が先か

分析が先だと思っていたのだけれど、言語化を先にしてから、じゃあどういう2軸が決まるとラベルを定義できるのか?という逆説的な話があった。そういうアプローチでもいいんだなと。PPM分析の考え方とポジショニングマップは新商品を考えるときにすごく使えそうだ。

重要度で分ける

ABC分析の話が出てきた。弊社の製品でよく扱っているやつなので、ここはみんな「なるほど~!」という感じで読めた。重要度で分けると、弱い箇所や、案外強い箇所などが見えてくる。それがわかれば打ち手を考えられる。パフォーマンス測定やっててもよく出てくる話だが、「推測するな、計測せよ」という名言が出てくる。計測したら、対処するべき箇所が見えてくる。ABC分析も同じだなと思えた。

同じ数でグループ化する

デシル分析が出てきた。これもまた弊社の製品でよく聞いているやつ。担当製品が違うので私はよくわかっていなかったのだが、顧客の購入金額で上位から10分割してグループ化するという感じで使うらしい。購入金額の低い下位7~10に打ち手を考えることができる(セールのDMや来店ポイント等をこの層に送って来店を促すとか)。

雑談で、「10分割するからデシルっていうんだよ」と言われて、全然ピンとこなかったのだが、「1デシリットルの、デシよ」と言われて、「あ~!!そういうことか!!」と一気にわかった。「でも10分割でデシとか使うの、リットル以外知らんね」とか、そんな話した。

顧客を複数の軸で分ける

デシル分析だと、1回で高額な買い物をした人と、普通の買い物を20回した人が同じグループに属することになるので、より詳しくグループ分けするのにRFM分析を使う。

  • Recency・・・最新購入日
  • Frequency・・・購入頻度
  • Monetary・・・購入金額合計

RFM分析ではこれらを各5レベルに分けて、5x5x5=125グループに分ける。こうすることで、顧客の状態が見えてくる。

最新購入日が3か月以上離れているけれど、購入金額合計が結構ある会員は、恐らく他のお店を使うようになった離反顧客であるとか、頻度は少ないけれど来店日が最近なのは新規顧客であるとか。全てが平均的な利用率な場合は安定顧客とか。125段階に分けても、ラベルがあるとわかりやすい。

1次元で捉える

面白かったのが、RFM分析の結果を1次元にしてしまえることだった。各レベルの合計値で分類するということだ。最低値は1+1+1=3で、最高値が5+5+5=15。合計額が被るところは全て同じグループとするわけだ。ザックリと知るにはよさそう。

2次元で捉える

2つの区分だけを使って分析することもできる。本では、購入頻度と最新購入日から、常連・安定・常連離反予兆・常連安定離反・新規・新規離反予兆・新規離反に分類し、離反予兆組をいかに安定に持っていくか、安定から常連にしていくかというのが視覚的にわかりやすく見ることができた。社内のセミナーとかでもよく出てくる話だったので、再確認できてよかった。

3回目のまとめ

4章の内容は、弊社で扱っている製品でまさに使っている分析手法の説明だったりしたので、みんなすごく興味深く読んでいたと感じた。やはり身近な話題だと盛り上がりやすい。3章で若干くじけそうになっていたが、なんとか盛り返せてよかった。