- 作者: 田宮直人,西山悠太朗,パブリック・ブレイン
- 出版社/メーカー: 土日出版
- 発売日: 2019/07/08
- メディア: 単行本
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前回の記事はこちら。 patorash.hatenablog.com
今回は3回目で、前回まではフレームワークを使ってビジネスを紐解いていくというところだった。自社・競合・顧客を分析していく3C分析を基本として、それらの周辺の分析を深堀していくという内容。今回は、その続き。
STP戦略
STP戦略は、顧客を細分化してターゲット層を抽出し、そこにたいして競争優位性を設定するマーケティング戦略のフレームワーク。 本からの引用。
- Segmentation・・・顧客を細分化して
- Targeting・・・ターゲット層を抽出し
- Positioning・・・ターゲット層に対する競争優位性を設定する
4つのセグメント
セグメントを細分化するのには、4つの変数がある。
- 人口動態変数
- 地理的変数
- 行動変数
- 心理的変数
セグメントを整理し、セグメント毎にデータを分析することでデータの差・変化・パターンを発見することで、特徴を定義できる。
ターゲティングにおける3つの攻略法
市場の攻略法は主に3つ。
非差別化マーケティングなんてあるのだな、とビックリした。セグメントが定まらない場合やセグメントに特化しなくてもいい場合に使うのかなと思う。
集中化マーケティングは自分が無意識で考えているマーケティングのパターンだった。私の担当製品も、まずターゲットを絞って、ここに特化したものを作った感じだ。そこから、データの見せ方を変えるなどで差別化マーケティングにしていっている途中。やっていることは間違ってなかったなと思えた。
ポジショニング
ターゲット顧客にリーチできるような差別化したポジションを探さなければならない。そのために、ポジショニングマップを使う。ポジショニングマップの中でも、特に顧客の商品認識を2軸で表現したものをパーセプションマップと呼ぶ。これはよく使うやつ。「質と量」、「品質と価格」のような対照的な2軸を定義する。他社の製品をこのポジショニングマップに配置し、空いているところがブルーオーシャン。しかしながら、空いているということはすなわち、潜在顧客がそもそも少ないという可能性もある。ポジションは競合から大きく離れることがベストではない。少し近づけることで、比較して優位性をアピールできるようにするなどもよさそう。
ゲームに置き換えて考える
やっとゲームの例えがきたー!という感じの空気が流れた。カートレースでの例。私の解釈だと、以下のようになる。
- 顧客全体・・・グランプリ
- Segmentation・・・コース
- Targeting・・・コースを攻略しやすいカートの選択
- Positioning・・・カート毎の性能の違い
敢えてマリオカートで例えると、
ターゲティングでいえば、
- 非差別化マーケティングはどのグランプリでもオールマイティなマリオを選択
- 差別化マーケティングは、グランプリ毎に攻略しやすいキャラを選択(キノコカップはキノピオで、フラワーカップはヨッシーとか)
- 集中化マーケティングは、キノコカップの、このコースだけは負けないキャラを選択(タイムアタックとか)
という感じだろうか?なお、例えで選択しているキャラは適当。最近マリオカートやってないし。
AIDA・AIDMA・AISAS
製品の価値を正しく伝えるためには、適切な方法・タイミングが必要となる。常に同じ方法が通用するわけではない。
AIDA・AIDMA・AISASは色んな本でも登場してくるので私は知っていたが、読書会の参加者は結構知らない人が多そうだった。現代だとAISASを意識することが多いんですよという話をした。ググって共有されて認知されていくので。
カスタマージャーニーマップ
AIDA・AIDMA・AISASを可視化したものがカスタマージャーニーマップ。意思決定プロセスを整理する。思考や感情、問題など顧客視点をより深めるために使う。
ペルソナ・テーマを決める
例えば、車を買いたい人がいるとして、初めての購入なのか、それとも買い替えなのか。それだけでもう動機や希望が異なるから、当然アプローチが変わる。
意思決定プロセスを決める
カスタマージャーニーマップの横軸となる。AIDAモデルなどを参考にゴールまでの道のりを決める。
明らかにすることを決める
カスタマージャーニーマップの縦軸となる。5W1Hを意識して、行動・思考・感情・問題を設定する。
定量調査・定性調査を実施
アンケートやインタビューだが、アンケートだと2択になったりして顧客の本音が抜け落ちたりすることがあるので、インタビューのほうが好ましそう。Whyを聞き出すことが重要。
マップで得られた見解から施策を打つ
作っただけでは意味がないので、ちゃんと施策を行う。
マップを作るときの注意点
顧客視点を重視する。主観が入るとずれてしまう。顧客視点だと、自社製品以外の選択肢もある。様々な選択肢がある中でペルソナの顧客はどういう状態であるのかを考える必要がある。 また、カスタマージャーニーマップはMECEには作りにくい。なるべくMECEみたいに作ることはできるが、その場合はその分だけカスタマージャーニーマップを考えなければならない。
3章のまとめ
一気に分析フレームワークが紹介されたので、みんなめっちゃ混乱していた。「これ仕事の説明書じゃなくてマーケティングの説明書じゃない?」という意見も出てきた。読書会の参加者は全員開発者なので、ちょっとわからんわーみたいな空気になってきた。
3C分析を基本に、自社と競合と顧客を深堀していかないと、いい商品ができないんじゃないですかねー?というふうにフォローしておいた。顧客の購入の動機や感情とかを考える手法なんて、恐らくこういう本でも読まない限り、触れてもらえないと思ってこの本を選んだというところがある。
まとめのページに載っていた図はすごくわかりやすいまとめになっていた。多分、これを先に見せておいてから、ここを説明していくよ、という感じのほうがよかったのかもしれない…。(個人の感想です)
長くなってきたので、前半と後半に分けてまとめていく。