patorashのブログ

方向性はまだない

1回の熟読より適当に何度も読み返すほうがよさそう

Kindle積ん読があるにも関わらず、GWのブックオフの20%オフセールに釣られてまた本を増やしてしまった私。今回はテレビでも見たことがあった7回読み勉強法についての本を読んでみた。

東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法

東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法

著者の経歴

著者の山口真由さんは、東大を首席で卒業、東大在学中に司法試験に合格と、国家公務員試験に合格して財務省に入った後、弁護士になったという方である。

この本では、東大に入るまでの勉強法、入った後の勉強法、司法試験の勉強にどう取り組んだか、社会人になってからの勉強についてや、息抜きやモチベーションの維持などについて書かれていた。

勉強は苦痛なことでもある

「勉強が好きなんですね」とよく言われていたというが、そんなことはなくてむしろ苦痛なこともあるけれど、勉強していた結果、あとで報われる快があるということをちゃんと書いていてくれているので読み始めから好感が持てた。勉強や努力という言葉を嫌う傾向が最近の世の中にあると思うのだけれど、やりたいことの中には、往々にして多少のやりたくないことも含まれているので、そこをどう折り合いをつけていくかってのが大事で、そこを乗り越えるのに勉強や努力のパワーが要ると個人的には思っている。最初は苦痛だけれど、わかるようになったら楽しくなった、ということを表現してくれているのは、とてもいいな思った。

最初の苦痛を乗り越えるための方法論が7回読み

つまりは、苦痛を減らして数をこなしているうちに楽しくなるところまでもっていくのが7回読み勉強法である、と感じた。7回読むことを勉強のルーティーンにしてしまおう、ということだ。最初から7回読むと決めてかかって、3回くらいまでは内容がわからなくてもとりあえずどんどん読んでいくのを繰り返す。その間に、その本を読むための土台が作られていく。それ以降に詳細部分を理解していくように詰めていくという感じだ(詳細は本を読んでほしい)。

3回を超えたあたりで、多少はわかるようになってくるので楽しくなってくるんだと思う。

7回解きも有効

数学など、理論の問題は読むだけでなく、7回解いてみるのだという。これは自分が高校3年生の秋頃に知った勉強法と似ている(マジでもっと早く知りたかったやつ)。といっても私が知った勉強法は7回解くではなく、「問題集の回答を丸々書き移していくのを何度も周回する」というものだった。こんなことをして応用力がつくのか?と思われるかもしれないが、基本がわかっていないと応用もできないので、当初は疑心暗鬼ながらこれをやってみたら急激に理解力が上がった。が、丸々写していくのは時間がかかる作業で、全範囲を書き写していくのは受験に間に合わなかったので、もっと早く知りたかったのだった…。しかし、赤点を取るほど足を引っ張っていた数学が平均点以上取れるようになったときは嬉しかったのは今でも覚えている。

話が自分の過去の経験に脱線してしまったが、この体験を元に資格試験の勉強のときにも同じようなことをやったりしているので、7回解きの有効性はとても同意できる。

戦略的な勉強法

著者が一番伝えたいことは、「努力をするんなら戦略的な勉強法でいこう」ということだなと思った。闇雲に頑張る、努力する、というのは、無駄な努力になってしまう可能性が高まり、なおかつ自分が疲弊してしまうし、卑屈になる(こんなに頑張ってるのに!と)。

戦略は攻略対象によって都度考える必要があるとは思う。なにしろ、締め切りはあるのか、難易度はどうなのかなど、考慮する点がそれぞれ違うからだ。とはいえ、戦略の1つに7回読み勉強法を加えるのは有効だと思う。時間をかけて勉強することになるとなおさらだ。

反復と網羅性

7回読みのいいところは、何度も読むことで頭に定着しやすいことと、とりあえず全部読むことで全体をなんとなくでも網羅できることである。試験の場合によく「ヤマを張る」ということがあったかと思うけれど、ヤマが外れたときのダメージは相当大きいので、リスクが高い。無視していいことは教科書には載ってないので、とりあえずでも全体的に掴んでおくことは、後々に効いてくるのだという。 たしかに、予想問題集をいくらこなしても本試験だと見たこともないような問題は出てくるものだ。

一番心に響いた言葉

とても勉強になった本書であるが、最後に、一番心に響いた言葉を載せておく。

「できないのがいけないのではなく、できないままでいることがいけない」

積ん読が増えているので、頑張って消化します!