patorashのブログ

方向性はまだない

コーチングについては読んだ価値があったかなと思う。

苫米地英人氏の本は昔に結構読んだことがあったのだけれど、Kindle Unlimitedでたくさん読めるようになっていたので、コーチングの本を読んでみた。

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コーチングに関する誤解

コーチングとは部下指導法や、洗脳ではない。また、実行者の体験を元にコーチをするものでもない。実行者のバイアスがかかっているので、他人に適用できない場合も多いからだ。まぁこのあたりはそうだろうなぁ〜と思いながら読んだ。

コーチングとは?

コーチングは、その人のゴールを探し出す手伝いをすること。目的は、自己実現であり、豊かな人生を送ること。そのためには、ゴール設定が重要なのだけれど、ゴールは自分で見つけなければならない。すでに存在しているゴールは、全て他人が作ったものであり、それをゴールに設定するのはとても危険。型に嵌められ、社会に縛られ、苦悩することとなる。なので、コーチングでゴールを一緒に探す。押し付けない。

コーチングが必要な理由

今までのような管理主義ではスピードが遅すぎて対応できない世の中になっている(この本が出たのが2009年なので10年近く前の状態であるが)。モチベーションを引き出して成長を促していかないと、組織もその人もよくない方向にいってしまう、ということだろう。

どういう人がコーチに向いているか?

過去に成功体験があるような人が向いている、となんとなく思うのだが、そうではない。むしろ、そういう人は先ほど書いたように自分の体験を他人にも押し付けてしまうパターンがあって、うまくいかないことがある。とはいえ、そういう人でコーチングも上手い人がいるパターンもある。まぁそれはそうだろう…。個人的な意見だと、本能型の人は向いていなくて、分析型の人は向いているということだろうなと思った。

向いているのは、コーチングの技術を身につけた人と書いてあった。いやそれが知りたいんやけども…。たぶんその辺りを実際に受けようと思うと高額なセミナーに誘導されそうな感じっぽい。それは置いといて、本だけで得られる知識に絞っていくと、コーチを受ける人の分野に全く経験のない人のほうが、過去に縛られていないので、いいコーチングができるらしい。抽象度の高いコーチングになるので、どういう分野でも応用が効くと。まぁそれもなんとなくわかる。

教えないコーチン

具体的に教えるコーチングでなく、観察を促し、自身で気付かせる「教えないコーチング」。この辺りの具体例は非常に示唆に富んでいて面白かった。

また、コーチングを行うには信頼関係が必要なので、同じ分野に全く経験のない場合でも信頼を勝ち取る方法においても、面白い内容だった。臨場感空間の共有と支配。支配といっても相手を支配するとかそういうことではない。まぁ信頼してもらえる空気作りみたいな感じだ。

未来に向けての話し合いと、質問の仕方によって考えさせる対象を誘導することで、内省を促して自分で発見させるというアプローチは、興味深かった。そもそも成功は未来にしかないので、現在の問題点について話し合ってもネガティブ思考になってしまうし、現在について話していても成功のビジョンは見えてこない。仕事のやりがいや、充実感があったときについて話し合うとポジティブな気持ちになれて、未来について考えていけるようになる。

コンフォートゾーンの上書き

コンフォートゾーンとは、居心地のいい場所のことで、人はこのゾーンから抜け出すことがなかなかできない。 いいところは、やりたいことがあれば、努力と感じることなく、どんどん行動が改善されていくこと(本人が楽しいから)。 悪いところは、そのコンフォートゾーンによって行動や思考が制限されてしまうこと。

明確な夢・目標がある人は、それがコンフォートゾーンとなっているので、面倒臭い作業や練習も苦にならない。「あのレベルになるにはこれくらいのことは当然だ」ということだ。あのレベル、がリアルにイメージできているからこそ、続けられる。

設定方法は、徹底的にリアルにイメージするとあり、これが難しそう。

アファメーションによる上書き

アファメーションは、セルフイメージを肯定する言葉である。簡単にいうと「俺はできる!」みたいなやつ。実際はもっと具体的。

アファメーションの作り方のステップは細かく書かれていたが、めちゃくちゃ長い。マインドマップでもすごく縦長な枝になってしまった。 簡潔に書くと、

  1. 人生の棚卸しを行う
  2. ゴールを考え、ゴールに到達しているときの自分を強くイメージする
  3. ゴールに到達できない理由を5つ考える
  4. ゴールに到達できない理由への反論を各5つ考える(合計25個)
  5. 今の自分がどうあればゴールに到達できるか考える
  6. 重要なものをピックアップしてアファメーションにする

しかし、ここはちゃんと考えないといけないところだろうと思う。適当にやると「他人が作ったゴールに沿ったアファメーション」になってしまいそうという危機感を感じた。自分もあとでやってみようと思っている。この辺りの内容は、他の本を読んだときにも書いてあったと思う。セルフコーチングを行う本だったかな…。

洗脳についての話は面白かった

資本主義の洗脳について書かれている内容は、面白かった。まさに、今の自分やな、と思わされるような内容だったが、それもまた苫米地さんによる洗脳なのだろうか?という気もする。でも面白かった。

資本主義によって、勝ち組・負け組格差社会による煽りが蔓延していて、頑張っても頑張っても幸せになれない考え方がインストールされていませんか?という問いかけである。

年収300万でも幸せに暮らしている人もいれば、年収1千万でも満足できず、もっと頑張れば満足できるはず、という意識で戦い続けなければならず、幸せを感じられない人もいる。それって資本主義の支配者層にそういうふうに洗脳されていませんか?それって奴隷の人生じゃないですか?という話だった。

資本主義を否定しているわけではなくて、そういうことに気付いた上でゴールを考えないと奴隷の幸せを追い続けるようになるよ、ということで自分にとってはいい発見だった。

バイオパワーに関する話も面白かった。我々は相互監視社会を作り出していて、自分たちで自分たちの自由を奪っている。落ちこぼれを見つけたら社会から排除するような形になっている。奴隷社会で優秀なのは、相互監視社会で模範的な人物であり、優秀な奴隷であるという…。ただ、落ちこぼれほど、排除されるので相互監視社会からの影響を受けなくなり、自由度が高くなるという。なんか皮肉な感じではあるが、確かになぁと思うところもある…。

特にSNSが発達してからというもの、ますます相互監視社会に拍車がかかっているなと思う。SNSはバカ発見器とか言われることがあるが、これもまた落ちこぼれを排除する動きの1つであろう。本来ならば、そんな人は見つからずに普通に暮らせるというのに。いいことなのか悪いことなのかわからなくなる。これもまた、気付いた上でSNSを利用しないといけないなと思う。SNSをやってない人ほど悠々と暮らしているような気もするなぁ〜と。

話は逸れてきたけれど、他人の作ったゴールを目指さないようにしようと思います。