未来食堂は、何かのテレビの特集を見たことがあったので知っていたのだが(ガイアの夜明けだったかな…)、本を出されていることは知らなかったので買ってみた。
- 作者: 小林せかい
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本
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読む前のイメージ
テレビを見ていたので、クックパッドから脱サラして飲食店を開いた人、という情報とこじんまりとした食堂で1つのメニューで超速で提供する、というのは覚えていた。夜は店のストックからお客さんのオーダーであつらえの一品を作るというのもなんとなく覚えていた。
ただ、レシピサイトをやっているうちに飲食店やりたい!って思うようになったんだろうと勝手に思っていた。そのあたりが全然違った。
せかいさんは自分の言葉で自分の作りたい世界を綴っている
私はブログでは技術系の情報や読書メモを残すのをメインに使っているのだけれど、それだと自分の言葉があまり載ってない。熱がないとも言える。特に読書メモに関しては、本のまとめみたいになってしまって、本を見ながら本を移したりしているときがあったりして、時々なにがしたいのかわからくなってしまう。まぁそれを通してまとまっていくこともあるのだが。
この本はせかいさんのブログをまとめた本なのであるが、せかいさんがお店を開くまでの修行の日々やそこで学んだこと、未来食堂をどういう店にするかというビジョンや計画、お店が始まってからのPDCAサイクルをどう回したかなどがせかいさんの言葉で書かれている。学んできたことをちゃんと消化していて、自分の言葉で書かれているなぁと。
一方自分はというと、なんか受け売りの文章とかどこかで見たような言い回しとかを多用している感じがする。要は上辺だけ勉強して消化しきれてない。この本を読みながら自分の文章の稚拙さを感じてしまった。ちゃんとビジョンを持っていて、それを第三者に伝えるんだ!という気持ちが乗っている文章なので、熱量が違う。そこらへんの自己啓発本よりも数倍刺激が貰える。ブログ書いている人は読んでみるといいと思う。
一番印象に残った言葉
「だから何なの?」
本を読んでいて、一番印象に残ったのがここだった。未来食堂の開店前夜に書かれている記事。飲食店の閉店率は高いのに、競争も激しくて失敗する確率が高いのに、なんでやるの?というところ。本人もわかっているけれど、確率だけが全てじゃない。今まで手伝ってくれた、応援してくれた人たちの想いなどを背負って覚悟を決めて頑張るための「だから何なの?」である。
なんでやるの?が芽を摘む
親切心からそう言ってくる人もいるだろうし、小馬鹿にしてそう言ってくる人もいるだろうけれど、それで諦めてしまう人って世の中にすごく多いと思う。失敗したくないので。でもそれやらなかったら成功するかというとそうではないし、したほうが絶対に自分のためになる。なにより後悔しないと思う。(ただ、杜撰な計画とかだったら、そりゃいかんとは思う)
すごくエンジニア発想で見習いたいと思った
文章の熱量はむっちゃ熱いとかじゃなくて、じわじわくる熱さで、それがよかった。そして、ちゃんと数値化して現状把握、次にどう繋げていくかのPDCAを回している部分や、修行に行っていた頃の考察がまた繊細に書かれていて面白かった。手の抜きどころとこだわるところをしっかり押さえて改善している点は本当見習いたい。
自分も闇雲に取り組まないようにしてちゃんと考えていこうと思わされた。
- 作者: 小林せかい
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/09/09
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