patorashのブログ

方向性はまだない

コーチングについては読んだ価値があったかなと思う。

苫米地英人氏の本は昔に結構読んだことがあったのだけれど、Kindle Unlimitedでたくさん読めるようになっていたので、コーチングの本を読んでみた。

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コーチングに関する誤解

コーチングとは部下指導法や、洗脳ではない。また、実行者の体験を元にコーチをするものでもない。実行者のバイアスがかかっているので、他人に適用できない場合も多いからだ。まぁこのあたりはそうだろうなぁ〜と思いながら読んだ。

コーチングとは?

コーチングは、その人のゴールを探し出す手伝いをすること。目的は、自己実現であり、豊かな人生を送ること。そのためには、ゴール設定が重要なのだけれど、ゴールは自分で見つけなければならない。すでに存在しているゴールは、全て他人が作ったものであり、それをゴールに設定するのはとても危険。型に嵌められ、社会に縛られ、苦悩することとなる。なので、コーチングでゴールを一緒に探す。押し付けない。

コーチングが必要な理由

今までのような管理主義ではスピードが遅すぎて対応できない世の中になっている(この本が出たのが2009年なので10年近く前の状態であるが)。モチベーションを引き出して成長を促していかないと、組織もその人もよくない方向にいってしまう、ということだろう。

どういう人がコーチに向いているか?

過去に成功体験があるような人が向いている、となんとなく思うのだが、そうではない。むしろ、そういう人は先ほど書いたように自分の体験を他人にも押し付けてしまうパターンがあって、うまくいかないことがある。とはいえ、そういう人でコーチングも上手い人がいるパターンもある。まぁそれはそうだろう…。個人的な意見だと、本能型の人は向いていなくて、分析型の人は向いているということだろうなと思った。

向いているのは、コーチングの技術を身につけた人と書いてあった。いやそれが知りたいんやけども…。たぶんその辺りを実際に受けようと思うと高額なセミナーに誘導されそうな感じっぽい。それは置いといて、本だけで得られる知識に絞っていくと、コーチを受ける人の分野に全く経験のない人のほうが、過去に縛られていないので、いいコーチングができるらしい。抽象度の高いコーチングになるので、どういう分野でも応用が効くと。まぁそれもなんとなくわかる。

教えないコーチン

具体的に教えるコーチングでなく、観察を促し、自身で気付かせる「教えないコーチング」。この辺りの具体例は非常に示唆に富んでいて面白かった。

また、コーチングを行うには信頼関係が必要なので、同じ分野に全く経験のない場合でも信頼を勝ち取る方法においても、面白い内容だった。臨場感空間の共有と支配。支配といっても相手を支配するとかそういうことではない。まぁ信頼してもらえる空気作りみたいな感じだ。

未来に向けての話し合いと、質問の仕方によって考えさせる対象を誘導することで、内省を促して自分で発見させるというアプローチは、興味深かった。そもそも成功は未来にしかないので、現在の問題点について話し合ってもネガティブ思考になってしまうし、現在について話していても成功のビジョンは見えてこない。仕事のやりがいや、充実感があったときについて話し合うとポジティブな気持ちになれて、未来について考えていけるようになる。

コンフォートゾーンの上書き

コンフォートゾーンとは、居心地のいい場所のことで、人はこのゾーンから抜け出すことがなかなかできない。 いいところは、やりたいことがあれば、努力と感じることなく、どんどん行動が改善されていくこと(本人が楽しいから)。 悪いところは、そのコンフォートゾーンによって行動や思考が制限されてしまうこと。

明確な夢・目標がある人は、それがコンフォートゾーンとなっているので、面倒臭い作業や練習も苦にならない。「あのレベルになるにはこれくらいのことは当然だ」ということだ。あのレベル、がリアルにイメージできているからこそ、続けられる。

設定方法は、徹底的にリアルにイメージするとあり、これが難しそう。

アファメーションによる上書き

アファメーションは、セルフイメージを肯定する言葉である。簡単にいうと「俺はできる!」みたいなやつ。実際はもっと具体的。

アファメーションの作り方のステップは細かく書かれていたが、めちゃくちゃ長い。マインドマップでもすごく縦長な枝になってしまった。 簡潔に書くと、

  1. 人生の棚卸しを行う
  2. ゴールを考え、ゴールに到達しているときの自分を強くイメージする
  3. ゴールに到達できない理由を5つ考える
  4. ゴールに到達できない理由への反論を各5つ考える(合計25個)
  5. 今の自分がどうあればゴールに到達できるか考える
  6. 重要なものをピックアップしてアファメーションにする

しかし、ここはちゃんと考えないといけないところだろうと思う。適当にやると「他人が作ったゴールに沿ったアファメーション」になってしまいそうという危機感を感じた。自分もあとでやってみようと思っている。この辺りの内容は、他の本を読んだときにも書いてあったと思う。セルフコーチングを行う本だったかな…。

洗脳についての話は面白かった

資本主義の洗脳について書かれている内容は、面白かった。まさに、今の自分やな、と思わされるような内容だったが、それもまた苫米地さんによる洗脳なのだろうか?という気もする。でも面白かった。

資本主義によって、勝ち組・負け組格差社会による煽りが蔓延していて、頑張っても頑張っても幸せになれない考え方がインストールされていませんか?という問いかけである。

年収300万でも幸せに暮らしている人もいれば、年収1千万でも満足できず、もっと頑張れば満足できるはず、という意識で戦い続けなければならず、幸せを感じられない人もいる。それって資本主義の支配者層にそういうふうに洗脳されていませんか?それって奴隷の人生じゃないですか?という話だった。

資本主義を否定しているわけではなくて、そういうことに気付いた上でゴールを考えないと奴隷の幸せを追い続けるようになるよ、ということで自分にとってはいい発見だった。

バイオパワーに関する話も面白かった。我々は相互監視社会を作り出していて、自分たちで自分たちの自由を奪っている。落ちこぼれを見つけたら社会から排除するような形になっている。奴隷社会で優秀なのは、相互監視社会で模範的な人物であり、優秀な奴隷であるという…。ただ、落ちこぼれほど、排除されるので相互監視社会からの影響を受けなくなり、自由度が高くなるという。なんか皮肉な感じではあるが、確かになぁと思うところもある…。

特にSNSが発達してからというもの、ますます相互監視社会に拍車がかかっているなと思う。SNSはバカ発見器とか言われることがあるが、これもまた落ちこぼれを排除する動きの1つであろう。本来ならば、そんな人は見つからずに普通に暮らせるというのに。いいことなのか悪いことなのかわからなくなる。これもまた、気付いた上でSNSを利用しないといけないなと思う。SNSをやってない人ほど悠々と暮らしているような気もするなぁ〜と。

話は逸れてきたけれど、他人の作ったゴールを目指さないようにしようと思います。

ドラッカーと会計?と思ったが、良書だった。

ドラッカーと会計の話をしよう (中経の文庫)

ドラッカーと会計の話をしよう (中経の文庫)

ブックオフで買っていた本をようやく読むことができたので、マインドマップにまとめた。

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この本は物語になっていた。

銀行勤めで会計の知識には自信のある主人公が脱サラしてイタリアンレストランを始めるも、経営が悪化。資金繰りをしながらなんとかやっていたが、妻と子供が実家に帰ってしまう。そんな中、レストランを買収したいという申し出があり、その話に乗ろうとロサンゼルスに旅立つ飛行機で、運良くファーストクラスに乗ることに。その機内で隣の席に座った還暦くらいの男性に話しかけられ、経営と会計の誤解に気付かされていく…。

という感じだろうか。すごく読みやすくて、数時間で読み終わったけれど、マインドマップにまとめながらまた読んだら結構発見もあった。

利益が会社を潰す

1章のタイトルが刺激的だが、これは主人公の純一のイタリアンレストランは、一度も赤字になっていないのに資金繰りが辛いという。そこで西園寺(隣の席の男性)は「利益ってなに?」という質問をする。

利益は、売上ー費用=利益だと自分も思っていたのだけれど、違うという。会計でいう利益は、「期間利益」であり、1年など期間を区切った利益なのだがこれは簡単に操作できてしまう。赤字にしないために早めに売上をもらえるように調整したり、逆に、経費を次の期に回したりなど経理操作ができてしまい、信頼するには危ういデータであるという。

経営にはサイクルがあり、長期的視点で行うものである。しかし、会計はそのサイクルを無視して業績を計算することを要求してくる。西園寺が例えを出していたが、経営はマラソンのようなもので、10kmごとのラップタイムを競うようなことはないのだが、会計はラップタイムを出してきて、銀行・投資家はそのラップタイムにしか興味がないという。ゴールを目指しているのに、途中でチャチャを入れてくるわけだ…。

このラップタイムにフォーカスして経営するようになると、ラップタイムをよく見せようとして体力を温存すべきところで速く走りすぎたり、スパートをかけるところでコストを気にしてスピードダウンさせたりということになってしまうわけだ。痛烈な言葉で、「今日の利益のために明日を犠牲する」という一句があった。

利益は信頼に足らないのだけれど、では何を見ればいいのか?というと、キャッシュフローを見ろという。現金を生み出せない会社は破綻する。そして、キャッシュフローの元データは預金通帳のため、損益計算書と違って操作ができない。キャッシュフローこそが、会社の血液なのだろう。

商品戦略

西園寺は純一に、どういうレストランなのかを質問し、豊富なワインと多数のメニューを揃えたレストランという説明をする。そこでも一刀両断される。

西園寺はメニューに戦略性を持たせなければならないという。メニューにこそ、しっかり練られた儲けの仕組みが組み込まれていなければならない。多ければいいというものではない。 ラインナップが豊富なのは、お客さんとしては嬉しいが、経営者としては大変。なぜならば、在庫をたくさん抱えなければならないからである。ワインを大量に抱えつつ、品質を保持するのはコストがかかる。多数のメニューにしても、レシピの管理や滅多に出ないような食材の確保などで冷蔵庫がパンパンになってしまう。それでは運転資金が多く必要になってしまう。

そして、ここで80対20の法則の話が出てきた(本の中では90対10になってた)。利益の9割はメニューの1割が作り出していて、残りの1割をその他9割のメニューが作っているというやつだ。 つまり、売上に貢献しているのは、

  • わずかな商品
  • わずかな顧客
  • わずかな営業部員

というわけだ。ここで、メニューを絞り込めというが、ではその1割に絞り込めばいいかというと、そうではない。なぜならば、今売れているものが今後も売れ続けるとは限らないからだ。

ライフサイクル

製品には寿命(ライフサイクル)がある。ライフサイクルを意識して、品揃えを常に入れ替えていかないと会社は存続できないと西園寺はいう。

ライフサイクルは11まであったが、ピックアップされていたものを上げると以下のようなもの。

  1. 今日の主力製品・・・常に大きな売上を占め、大きな利益を上げる製品
  2. 明日の主力製品・・・特に宣伝しなくても売上も利益も大きい。そのため放置されがちだが、見返りが大きいため、ここに最もコストをかけるべき。
  3. 開発製品・・・生まれたばかりの赤ん坊。会社が新陳代謝をするために、製品開発は怠ってはならない。
  4. 失敗製品・・・問題製品。経営がうまくいってない会社は、サンクコストにこだわって抱え込んでしまい、ますます業績悪化。
  5. 昨日の主力製品・・・売上は大きいが、利益は少ない。勢いがなくなったため、価格を引き下げたり、宣伝費が注ぎ込まれしまう。今日の主力商品と思っているものが、昨日の主力商品になっていないかは監視しておかなければならない。
  6. 独善的製品・・・経営者のこだわり製品。ヒト・モノ・カネが湯水のように投入される。多額の投資をしているうえに経営者がこだわっているため、現実を直視できない

ライフサイクルを意識して、

  • 今日の主力製品が昨日の主力製品になってないか?
  • 明日の主力商品を今日の主力商品にできないか?
  • 開発製品を明日の主力商品にできないか?
  • 失敗製品に見切りをつけられるか?
  • 昨日の主力商品のコストを下げられないか?
  • 独善的製品が主力商品に化ける可能性はあるのか?

などを検討していかないといけない。

コストカットは未来を奪う

3章に書かれていた内容が、個人的にはすごく勉強になった。3章の副題は「コストカットは未来を奪う」という刺激的なものなのだが、読んだだけでなんか身に覚えがあるなと感じた。多分、他の人たちも感じるのではないだろうか?

利益はどこから生まれるか?

顧客が製品を買ってくれない限り、利益はどこからも生まれない。プロフィットセンターは社内には存在しない。会社の中はコストの塊である。

コストはどこから生まれるか?

全ての仕事にはコストがかかる。そして、コストと利益の間には明確な因果関係は存在しない。コストをかけたら利益が上がるとは限らない。

また、コストについても10対90の法則が当てはまる。コストの90%は、業績を生まない90%から発生する。利益を生み出す活動に意識的に力を入れないと、コストは何も生まない活動に使われていく。そして、損益計算書には、お金がどのように使われたのかは書かれていないため、そこだけ眺めても何が無駄なのかわからない。そのため、無闇にコストカットをしようとしてしまう。

お金の使い方が将来を決める

お金は、利益を生むように使わなくてはならない。つまり、将来のキャッシュフローを生み出すように。お金の使い方が将来を決めるので、もし業績が悪化したとしたら、投資がキャッシュを生んでいないということだ。そのため、現金を使うときには、

を考えて使わなければならない。

ここでも会計の話が出てきて、投資は長期にわたって効果が期待される支出なのだが、会計は期間で評価してくる。経営は長期的視点で行わないといけない。短期の利益の確保のために本来するべきである投資を減らしてコストカットしたつもりになってはならない。

コストカットすべきは、90%のコストを生じさせている活動の中から削減する。

  1. 最大のコストに集中する。コストの低いものを削減しても労力は同じなのに効果は薄い。
  2. 種類によって管理しなければならない(削減対象が将来への投資かもしれないから)
  3. 最も効果的なのは、活動そのものを辞めること

最悪のコストカットは、ちまちまとした節約や備品の質を下げることなどの場当たり的なものだ。これは、「短期利益のために最も大切な長期の利益を犠牲にしている」と書かれていた。こういうことをすると、会社と従業員の間で長年築いてきたものを、たった1日で壊してしまう。結果、人が辞めてしまう。人が辞めると、例え業績がよくなったとしても、そのステージで業務を任せられる人がいなくなり、さらに業績が落ちる。また、新たに従業員を入れたとしても育成には時間がかかる。

まぁこういうのは家計についても同じことが言えるだろう…。そのコスト、本当にカットしても大丈夫なコストですか?

客はオーケストラの何にお金を払うのか?

最後の章は、コストと原価計算の話になっていった。

伝統的な原価計算GMなどの巨大メーカーによって1920年代に発明された大量生産・大量消費の時代のものである。そのため、現代の多品目・オンデマンドな時代にはマッチしておらず、原価計算が正当なものになってないことが多い。

現代はビジネスプロセス全体(材料の調達から生産、流通、販売、アフターケアまで)でコストを考えなければならず、そのプロセスの流れこそが重要で、1つ1つを個別にしても正しい原価は得られない。これは、ABC原価計算を使えばいいらしい。ちなみにABCは、Activity Based Costing。

製品の価格は消費者が決める

消費者は、満足と引き換えに、製品購入までのコストを全て負担する。消費者が満足するのであれば、販売価格の材料費が例え10倍であっても問題ない。逆に、満足しなければ、材料費が3倍でも買わない。いくらなら消費者が受け入れるか、その価格から利益分を差し引いた金額が、製品にかけられる上限のコストとなる。

従来の、原価から計算して価格を決めるのは間違っているというか、時代にあっていない。会計の(伝統的な)原価計算は正しい原価を現していないので、売れても実は赤字になっていることもあるらしい(アフターケアが考慮されていないなど)。

4章の締めがよかった

最後には、人生の道標になりそうな名言が並んでいた。

  • 将来は誰にもわからない。ただ、切り開くことはできる。
  • 成果を出すには何をすべきかを論理的に考え抜くこと。勝負は戦う前に決まる。
  • お金を稼ぐことは人生の目的ではない。前提なんだ。
  • 利益は将来のリスクに備えるための保険

あとはエピローグがあって、2年後の純一と西園寺が再び飛行機で出会い、どういうことをしてレストランを立ち直らせたかという話が載っているが、それは本を読んでもらったらいいかなと思う。

学び

会計の本ではあるが、どちらかというとドラッカーというだけあって経営の本であり、非常に楽しく読めた。会計のいい加減さや、キャッシュフローの大切さもわかったし、経営戦略としての商品のライフサイクルや、いいコストカット、悪いコストカットが学べた。

読んでいて途中で思ったのは、経営と投資って似ているな、ということだった。利益は将来のリスクに備えるための保険、というのを読んだときに、前の投稿で書いていた、くるくるワイドのことがよぎった。

patorash.hatenablog.com

設備投資は貯蓄と稼ぎの範囲内で行うべきと、今回読んだ本に書いてあったのだけれど、それってくるくるワイドの複利と固定ポジションのことでは?と思ったのだ。同じく、稼ぎの範囲内でリスクコントロールに対して投資を行っているから。今までは投資(FXに限らず、株とか)で儲かった!損した!と一喜一憂していて、利益をリスクに備えるために使うという考えに至ってなかったと思う。 まさに、「お金の使い方が将来を決める」のだ。多分、運良く一時的に大金を手に入れたとしても、リスクに備えるために使っていなければ、せっかく得たお金も同じようにすぐ失ってしまうのではないだろうか?

経営目線、投資目線の両方で学びがあって、大変よかったと思う。

くるくるワイドについてマインドマップでまとめた

FXくるくるワイド投資術

FXくるくるワイド投資術

昔から少しやっている投資法である、くるくるワイドだけれど、理解しては忘れる、を繰り返していたので、マインドマップにまとめながら本を再読した。

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くるくるワイドのマインドマップ

くるくるワイドは放置系ではない

基本は、本体と、その同量のトラップを仕掛けておくのであるけれど、これだけで放置しておけばいいというものではない。デイトレのヘッジトレードで得た利益で、固定ポジションを作っていく必要がある。

本体をロングとした場合、100円で7万ドル持っていたとして、出口が107円の場合、(107-100)x7=49万円が本体の利益。 トラップはショートになって、10銭刻みでのトラリピとなり、出口の107円が損切りラインとなり、出口に着いたら24.5万円の損。 100円から107円にたどり着くまでにトラップは500円ずつヒットするので、利益は107円までにヒットした回数x500円。

裁量トレードを行わない場合ですんなり上がった場合は、

49万-24.5万+トラップ益=24.5万+トラップ益

となって、儲かりそうではあるが、すんなりと順行でいくことは滅多にない。

そこで、24.5万円の予定利益分を使って、ヘッジトレードを行う。

ヘッジトレードが肝

ヘッジトレードは、出口を損切りラインにした10銭幅のデイトレで、玉数を多く建てることができる。 話を簡単にするために、100円のときに3.5万ドルでヘッジトレードをしたとする。

ヘッジトレードが成功した場合

3.5万x0.1=3,500円の儲けとなる。

ヘッジトレードが失敗した場合

(107-100)x3.5=24.5万の損切りとなるが、本体ロングとトラップの利益は24.5万+トラップ益なので、

24.5万+トラップ益-24.5万=トラップ益

となり、もしヘッジトレードが塩漬けになっても出口でマイナスにはならない。

なので、出口でも損はしないという心理的安全を元に、積極的にヘッジトレードを仕掛けていくべき。成功すれば、建て玉数が多いだけに、利益も大きい。何度でもやってよい。個人的には抵抗線の手前で仕掛けたら成功しやすいんじゃないかなと思った。

複利で利益倍増する

くるくるワイドが放置系でないところは、ヘッジトレードだけではなく、複利もである。

複利は、トラップで得た利益を3分割して本体と同じ向きで再投資するものだ。

  1. 攻撃的複利・・・レンジの外辺りにストップロスを置くポジション
  2. 現実的複利・・・支持線の下辺りにストップロスを置くポジション
  3. 非現実的複利・・次の支持線や、史上最安値辺りにストップロスを置くポジション

1日1,500円のトラップ益が発生したとすると、それぞれに500円ずつ割り振っていく。

ドル円が100円で、攻撃的複利のストップロスが95円、現実的複利のストップロスが90円、非現実的複利のストップロスが75円として、トラップ益がそれぞれ5万円ずつ貯まっているとすると

攻撃的複利 現実的複利 非現実的複利
ストップロス 95 90 75
1枚あたりの必要トラップ益 5,000円 10,000円 25,000円
複利ポジション数 10 5 2

となり、複利は合計1.7万ドルとなり、もしこれが出口までたどり着いたら(107-100)x1.7=11.9万円の上乗せ利益となる。

実際は値動きは荒いし、攻撃的複利がストップロスにひっかかることもあるのだけれど、

  • 値が下がる=トラップトレードが儲けを生み出しているはず
  • 値が下がる=現実的複利、非現実的複利を仕込みやすくなっている

という点がある。例えば、ドル円が94円になってしまって攻撃的複利が切られたとする。5万円の損ではあるけれど、この損はあくまでトラップ益であり、元本ではない。そして、94円になるまでにトラップ益が8万円貯まっていたとすると現実的複利、非現実的複利に4万ずつ割り振ったとして…

攻撃的複利 現実的複利 非現実的複利
ストップロス 95 90 75
1枚あたりの必要トラップ益 ---- 4,000円 19,000円
複利ポジション数 ---- 15 4

となり、複利ポジションは19になっている。また、現実的複利にたどり着く前に反転する可能性は高い(あくまで、そういう支持線の下辺りにストップを置くから)。値下がりは、複利ポジションを増やすチャンスでもある。ナンピンっぽいけれど、あくまでトラップ益の範囲でやる。

私が思う本命、「固定ポジション」

くるくるワイドの本命は、この「固定ポジション」だと思う。これがリスクを抑えるための要になる。固定ポジションとは、ヘッジトレードで得た利益で建てる本体との逆のポジションのことで、つまり両建てである。個人的には、複利も大事だけれど、トラップ益で固定ポジション建ててもいいと思う。

本体に対しての両建て=固定ポジションなのだが、なぜこれを建てる必要があるのかというと「逆行対策」のためである。 くるくるワイドの弱点は、逆行。くるくるワイドをよく理解せずに放置系だと思って始めた頃は、本体ロングした途端に逆行して即マイナスになって半年くらい苦しんだのだけれど、固定ポジション(ショート)をしておいたら、下がってもダメージが少ない、または、なくなる(完全にヘッジし終わっていたら)。

そして、下がって支持線の辺りで固定ポジションを決済したら、ショートの利益が得られる。

固定ポジションの位置

固定ポジションは、抵抗線の上と出口の中間くらいをストップロスとして建てていく。あくまでヘッジトレードの利益も、出口までの道具として使う。 ヘッジトレードで1回につき3,500円の利益、103.5円に固定ポジションをつけるとして、35,000円のヘッジトレード益があったとする。

固定ポジション
固定ポジションのストップロス 103.5
1枚あたりの必要ヘッジ利益 3,500円
固定ポジション数 10

この状態で100円から99円に下がったとしたら、本体ロングが70なので、-7万円になるのだけれど、固定ポジションは+1万円になり、トータルで-6万円となり、傷が浅く済む。

こんな感じで固定ポジション数を70になるまで積み増すと、100円が99円になってもプラスマイナス0となる。やったね! しかし、103.5円を迎えると、固定ポジションはロスカットされる…。24.5万円マイナスになるが、これはヘッジトレードで得た利益のため、元本には影響しない。そして、本体ロングがプラス24.5万円になっているので、運用上はプラスになっていて喜ばしい、ということだ。

固定ポジションをヘッジしきったら?

固定ポジションを70までヘッジしきったら、もう下落はノーリスクとなる。むしろ、下落=トラップトレードの成功なので利益が出る。しかし、ヘッジトレードがストップロスにひっかかるとやはり勿体無い。そこで今度はヘッジトレード益で固定ポジションの損切りラインを107円に変更していく。これの意味は一体なんなのか?

これは、本体ロングで予定していた利益(49万)を100%確保したという状態になる。これで完全にノーリスク。利益を確保した上でノーリスク。あとは出口にくるまでトラップトレードで得た利益を元に複利を建てていき、複利に対して固定ポジションを追加していく等をすればよい。

くるくるワイドのリスクコントロールの上で重要なのが、固定ポジションである。両建て強い!

先消し、ピンポンなどの裁量トレード

この辺りは運用が面倒な人はやらなくてもいいだろうけれど、利益率が大きく変わるのでちゃんと理解しておいたほうがいい。 正直、ヘッジトレードをやる意味と、固定ポジションと複利を理解できたら、リスクを抑えて出口でプラスにすることは可能であると思う。 しかし、それだけだと利益が乗りにくい。

為替はトレンドが順行であったとしても、必ずどこかに抵抗線がある。抵抗線を迎えると、越えられずに反落することが多い。反落する可能性が高いんだったら、複利抵抗線付近で決済して、反落後に複利を建て直すというのが先消しである。

先消しして、反落しなかったら?

もし反落せずに抵抗線を越えたとしても、利益確定はできている。

先消しして、反落したら?

105円に抵抗線があるとして、その付近で先消し(決済)して、予想通り104円まで反落したとしたら、104円で買い直したら1円分利益を得られた上に、複利のチャンスが得られる。

本にも書いてあったけれど、先消しで損をするわけではないから、積極的に先消ししていくほうがよさそう。先消しを躊躇していたら下がってきて攻撃的複利ロスカットされてしまう…とかになると勿体無い。

ピンポン

ピンポンも、先消しで得られた利益を使ってレンジ相場でハイレバで勝負するというやつで、うまくいけば大きな利益が得られる。ただし、やや難易度が高めに感じる。失敗したとしても、複利の利益が飛んだだけだから問題ないという考えということだ。

固定ポジションも決済対象

固定ポジションに利益が乗っている状態で、トラップのレンジが外れそうだったら、固定ポジションを決済して仮想建値を下げる。仮想建値を下げて、出口も下げる。なぜ固定ポジションを決済してまで仮想建値を下げるのか?というと、トラップ値幅を拡げないため。トラップ値幅が拡がると、攻撃力が落ちるから。

具体例でいうと、100円スタートで107円出口だったけれど、逆行してしまい、96.5〜103.5円のトラップにしていたのに(トラップ値幅10銭刻み)、さらに96円まで落ちてトラップのレンジから外れたとする。こうなると、大幅逆行のときのルールに則って、100円を中心に線対称にレンジとゴールを広げることになる。たとえば、95〜105円とか。今までは103.5-96.5=7円だったので、7÷70=0.1で10銭刻みでよかったのだが、10÷70=0.14となり、14銭刻みになる。こうなると攻撃力が下がる…。

そこで、固定ポジションを決済して、その利益で仮想建値を95円始まり扱いにして、95〜102円としてしまえば、7円なので、トラップトレードの値幅は10銭刻みとなり、攻撃力は落ちない!ということだと私は理解した。

固定ポジションを持ってヘッジしきることも大事だけれど、攻撃力を保つことも大事で、要はバランスだと魚屋さんは書いていた。

まとめ

出口では必ずプラスになるように調整して、まずリスクヘッジしていこうというのが、魚屋さんの理論なのだと理解した。効率の良し悪しよりも生き残りやすい方針だと思う。最後に、のところで、退場してしまうということは、リスク管理できてないということとあった。本体建てた直後に天変地異があったら仕方ないけれど、そうでなければ、くるくるワイドはいい戦略だなぁと個人的に思う。今までの運用で勘違いしていたところがあったので、もっと積極的に固定ポジションを取っていこうと思った。

Herokuでpumaを使う。jemallocも使う。

Herokuで稼働しているアプリのApplicationServerをunicornからpumaに変更することにした。

理由は、Capybaraを3系にアップグレードしようとしたところ、デフォルトのサーバがpumaらしく、このまま放っておくとテスト系のライブラリもレガシー化していきそうだなと思ったため。

やったこと

unicorn系の削除

まず、Gemfileからunicorn系のgemの削除を行った。

unicornの設定ファイル、unicorn-worker-killerの設定の削除も忘れずに。

pumaのインストール

  • Gemfileにpumaを追加
  • config/puma.rbを作成
  • Procfileの修正

config/puma.rbは、Herokuのサイトを参考に行った。

devcenter.heroku.com

デプロイしてみる

これでデプロイしてみた。Herokuで利用しているDynoはStandard-2Xのため、以下のサイトの情報を読んで、WEB_CONCURRENCYを3、RAILS_MAX_THREADSを5に設定しておいた。

techracho.bpsinc.jp

これで1日様子見してみた。

修正を試みる

1日経って、R14のWarningが結構発生していた。R14はメモリの使いすぎでスワップが発生している状態なので、よろしくない。暫定的にRAILS_MAX_THREADSを4に落とした後、Herokuのドキュメントを読んでみる。

devcenter.heroku.com

puma_worker_killerを入れる

pumaの使用メモリが多すぎたことが原因なので、puma_worker_killerを入れて定期的に再起動させることにした。

gem 'puma'
gem 'puma_worker_killer'

これをbundle installする。 そして、config/initializers/puma_worker_killer.rbに以下を追加。

PumaWorkerKiller.enable_rolling_restart

jemallocのbuildpackを入れる

Herokuのドキュメントに、マルチスレッド環境ではjemallocを使ったら効果があると書かれていたので、入れてみる。 RubyKaigi2018でも、jemallocは効果的だという話だった。

patorash.hatenablog.com

しかし、Herokuだと使えないよなーと思っていたら、buildpackがあることを知ってびっくりした。ありがたい〜。

2020-07-14 追記

紹介していたbuildpackがメンテナンス終了していました。新しくforkされた方を使いましょう。

メンテ終了… elements.heroku.com

forkされた方 github.com

まず、jemallocのbuildpackを入れる。新しい方にURLは変えてありますのでご安心を。

heroku buildpacks:add --index 1 https://github.com/gaffneyc/heroku-buildpack-jemalloc/ --app app_name

次に、Procfileを以下のように修正した。

web: jemalloc.sh bundle exec puma -C config/puma.rb

そして、デプロイ。

git push heroku master

とりあえず、これで様子を見てみることにする。

追記

WEB_CONCURRENCYを3、RAILS_MAX_THREADSを5に設定しておいた。

と書いていたが、結局R14がまた発生したため、WEB_CONCURRENCYは2に変更した。

2019-07-26 追記

設定が不完全だったので、ちゃんと設定した。

patorash.hatenablog.com

2020-07-14 追記

jemallocの新しいバージョンが使えるbuildpackが出ていました。

patorash.hatenablog.com

やはりソフトウェア開発とマインドマップは相性が良さそう

この前の電脳書房さんの半額セールのときに結構買ったのですが、そのときに『ソフトウェア開発に役立つマインドマップ』を手に入れたので読みました。

ソフトウエア開発に役立つマインドマップ

ソフトウエア開発に役立つマインドマップ

マインドマップはノート術みたいなもので、中央のお題から外側に向かってどんどん枝を伸ばしていくようなものです。連想で枝を繋げていけるので、アイデアや感想をどんどん継ぎ足すことができ、ブレインストーミングなどにも向いています。今回の読書で内容をまとめるためにマインドマップを作ったのですが、以下のような感じ。

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テンプレート集がよかった!

BOI(Basic Ordering Idea)という最初の枝が既に書かれているテンプレート集がすごくよさそうだった。何にもない状態からマインドマップを作っていくよりは、穴埋め的に枝を伸ばしていけるので、パターン化しやすいだろう。特にいいなぁと思ったものは、

など。マーケティング用の思考フレームワークのテンプレートもあった。こっちもよさそう。

マインドマップは応用の幅が広い

私も普段からマインドマップは使っていて、特にセミナー・勉強会などに参加したときのまとめは、マインドマップにしている。平鍋さんがマインドマップの特徴としてあげている、速記性・一覧性・プレイバック効果がとても相性がいいからだ。RubyKaigi2018とかOSO2018、この前あった中国地方DB勉強会もマインドマップにまとめている。マインドマップにまとめてあるから、どういう感じの勉強会だったかを雰囲気と共に思い出せて(プレイバック効果)、それを見ながらブログに記事を書けるため、ブログとの相性もいい。

本の中ではどう使っていたか

お客さんのところに要件を聞き取りに行き、その内容をまとめていき、UMLに起こすところまでやっていた。 マインドマップだと、話題ごとに枝(ブランチ)を伸ばしていくので、あの話はどの件についてだったか…などに強い。また、往往にしてよく話題が飛んだりすることがあるが、そういうときでもメモを書きやすい。

例であがっていた図書館システムの聞き取りの際の要望聞き取りテンプレートがよかった。

マインドマップモデリング

1章分使われていたけれど、これは「なるほどなぁ〜!」と思った。現実世界からドメイン分析モデルを作るのは、放っておくと個々人のスキルに大きく依存してしまうので、マインドマップ・モデル・テンプレートを作って、モデリング作業を定型的なものにしていくというのは、すごく効果的だなぁ〜と思った。これはこの章の著者の浅海 智晴さんが、大学のゼミで行った実習ベースの内容になっているということなので、信頼のおけるモデリング手法だと思う。

気づき

テンプレートにしといたら便利!っていうのはとてもよい気づきだったので、自分用にテンプレートをコツコツ作っていこうと思う。 ちなみに私が使っているマインドマップ・ツールはMindNodeです。有料だけれど、書きやすくてオススメ。

mindnode.com

elasticsearch-railsからElasticsearchの設定を変更する方法

Elasticsaerchのインポートを速くしたいと思って現在試行錯誤しているのだけれど、全然速くならなかったので一旦コードを元に戻そうかと思っている。しかし、設定を変更するための仕方を調べるの結構手間取ったので、とりあえずそれだけ残しておく。

Foo.__elasticsearch__.client.indices.put_settings(
  index: Foo.index_name,
  body: { refresh_interval: '30s' }
)

もしかしたら、MacのDockerってファイルシステムの関係?ですごく遅いという話があるので、それが原因なんだろうか?と推測しているけれど、推測するな、測定しろってことなのはわかっています、はい。

この記事を参考にしてやろうとしたんだけれど、Docker上のElasticsearchのメモリ割当とか増やしてなかったので、それが原因な気もする…。

kakakazuma.hatenablog.com

運用の視点での注意点に気付ける一冊

前回の投稿から3週間くらい経ってしまった。前回は中国地方DB勉強会に参加という話だった。

patorash.hatenablog.com

その後、紹介されていた本がKindleで半額になっていた。

(今はもう元の値段に戻っているので注意)

MySQLを普段使っていないので、その辺りに関してはかなり読み飛ばしたなんとか一通り読み終えた。

インフラの基礎でざっくり復習できる

フレームワークを使って動くものを作るところから入った人にとっては、概要が一通りまとまっていていいんじゃないかと思った。私はネットワークエンジニアからこの業界に入ったので、フムフムという感じで読み進めたが、久々にこういう内容に触れた気がする。

モニタリングの解説がいい

Mackerelの本でも、何をモニタリングするべきかを書いてあったけれど、こちらも監視とモニタリングについて丁寧に書いてあったので、普段この辺りを設定する機会が少ないアプリケーションエンジニア的には非常に嬉しい情報だなと思った。

まとめ

若手のアプリケーションエンジニアに読んでもらいたい

ある程度経験のある方ならば運用視点もしっかりしてきていると思うけれど、若手のエンジニアの場合はまだまだの場合もあるので、これらの基礎的なところを身につけてもらったほうが自信がついていくんじゃないかなと思った。

運用を考慮に入れるという視点を持ってもらうためにも、会社の推薦図書にしたいなと思った。

また、自分が知りたかった内容がスッキリとまとまっていてよかった。 ボトルネックの見つけ方、チューニングの仕方などは、正直コマンドを打ってもどこの数値を見ればいいのかよくわからないということがあったので、こういうふうにまとまっていると「読める、読めるぞ!」みたいなムスカ的な高揚感を得られて良い。

基礎・基本の章は何度も熟読し、モニタリング・チューニングの章は辞書的な感じで使っていけるかなと思う。